【記事65480】噴火は新たな「火口列」=「半年から1年は警戒」−草津白根山・気象庁予知連(時事通信2018年1月26日)
 
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噴火は新たな「火口列」=「半年から1年は警戒」−草津白根山・気象庁予知連

 気象庁の火山噴火予知連絡会は26日、拡大幹事会を開き、草津白根山の本白根山(群馬県草津町など、標高2171メートル)の噴火は23日午前10時2分ごろに、鏡池と白根火山ロープウェイの中間に新たにできた複数の火口(火口列)で起きたと推定されると発表した。
 火口列は鏡池の北約500メートル、東西約500メートルの範囲に分布し、死傷者が出た草津国際スキー場に近い。うち一つはリフトの東100メートル程度にあった。火口の大半は約1500年前に噴火したとの学説がある「鏡池北火砕丘」に隣接している。
 予知連は「火山活動は高まった状態で、当面は23日と同程度の噴火が発生する可能性がある」と分析。石原和弘会長(京都大名誉教授)は記者会見で「今後半年ないし1年は厳重な警戒が必要だろう」と話した。気象庁は噴火警戒レベル3(入山規制)を維持し、警戒を呼び掛けている。
 気象庁はこれまで、火山性微動を観測した23日午前9時59分ごろ噴火したと発表していた。傾斜計では同10時ごろから約2分間、本白根山方向が隆起し、直後に沈降しており、主な噴火は沈降した頃に起きたと修正した。
 同庁は24日、噴火は地下の水がマグマで熱せられ、水蒸気となって爆発的に噴出する「水蒸気噴火」の可能性が高いと発表。水蒸気と一緒に噴出した火山灰の大部分は破砕された古い岩石などとみられるが、マグマによる高温火山ガスの関与も認められた。
 石原会長は「単なる水蒸気噴火ではない。今後マグマが関与する噴火が起きる可能性がある」と説明。「前兆がなく、2、3分の微動で噴火しており驚きだった」と話した。噴火規模は2014年に長野・岐阜県境の御嶽山で起きた水蒸気噴火より少し小さいという。(2018/01/26-19:31)

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