【記事45800】緊急特集_熊本地震(日経サイエンス2016年7月30日)
 
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緊急特集_熊本地震

 震度7が立て続けに起きた熊本地震。地震活動は,西日本を縦断する「中央構造線断層帯」に沿って九州中部を横断する形で拡大,5月上旬時点でも終息の見通しは得られていない。地震発生域は,阿蘇山などの火山が集中する「別府・島原地溝帯」の中にも入ることから火山活動への影響も注視されている。中央構造線と別府・島原地溝帯の活動はフィリピン海プレートの沈み込みがおおもとで,熊本地震は,やはり同プレートの沈み込みで生じる巨大な「南海トラフ地震」に至る1つのステップとみられる。古文書を調べると,熊本で大地震が起きたしばらく後に南海トラフ地震が発生している。南海トラフ地震への備えはもちろん,その前に何回か起きるとみられる熊本地震のような直下型地震にも警戒が必要だ。

火の国の地下を解く  中島林彦 協力:清水 洋/巽 好幸/西村卓也
古文書が語る肥後地震  中島林彦 協力:西村卓也
「近づく南海トラフ地震,直下型の続発に警戒」 尾池和夫・元京大総長に聞く  語り:尾池和夫

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