[2013_01_23_01]防潮堤 最大津波想定を 活断層「40万年前以降」 規制委基準案(東奥日報2013年1月23日)
 原子力規制委員会は22日の有識者会合で、原発の地震・津波対策の新安全基準骨子案を示した。原発ごとに想定される最大規模の津波を「基準津波」と設定し、防潮堤の設置や重要設備が浸水しない措置を求めた。考慮すべき活断層の定義を従来の「13万〜12万年前以降に活動した断層」から「約40万年前以降」に広げ、活断層の真上に重要施設を設置してはならないと明記した。
 会合では骨子案は大筋合意したが、限定的な例外として、地盤にずれを起こす可能性がある断層上に原子炉建屋以外の重要な施設の設置を認めるかで意見が割れた。ずれを吸収、緩和できる設計を認めるかが焦点で、次回会合で取りまとめる見通し。
 21日に案を示した原発の設計基準や過酷事故対策の基準と合わせ、月内に骨子をまとめ、7月施行予定。活断層定義の変更で新たな対応を迫られる原発も出てくるとみられ、過酷事故対策とともに再稼働に大きく影響しそうだ。
 津波については従来の国の指針では、地震に伴う「随伴事象」との位置付けで、具体的な安全対策が規定されていなかった。東日本大震災の津波が東京電力福島第1原発の事故につながったことから、新基準で具体的な津波対策を義務付ける。
 骨子案は、原子炉建屋などは基準津波が到達しない高さに設置し、津波が達する原発には防潮堤などの整備を求める。
 地表にずれを起こすような断層の真上に原子炉の設置を認めない。近くに活断層がある場合は確実な揺れの予測ができないことを踏まえ、十分な余裕を持って原子炉建屋などへの影響を評価しなければならないとした。
 2007年の新潟県中越沖地震では東京電力柏崎刈羽原発の7基でそれぞれ揺れ方が異なったことから、地震波の伝わり方に影響する地下構造の調査も求める。

 原発の新安全基準

 原子力規制委員会が、東京電力福島第1原発事故を教訓に、従来の国の安全指針を見直して策定する。今回骨子案が示された地震と津波対策は、21日に公表された原発の基本的な設計基準と過酷事故対策とともに1月末に骨子としてまとめられ、国民の意見を聞いた上で7月に基準を施行する。今後新設する原発だけでなく既存原発にも適用され、規制委の審査で基準に適合していると認められないと再稼働できない。
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