[2016_07_10_02]耐震基準(Wikipedia2016年7月10日)
 
参照元
耐震基準

(前略)

原子力発電所の耐震基準

原子力発電所の耐震基準は、「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」により規定されている。これは、1981年(昭和56年)に制定され、2006年(平成18年)に改定されたものである。多くの原子力発電所は1981年に制定された指針を元に設計されている。なお、指針制定前に作られた原発では、この指針とほぼ同じ方法が用いられているものの、動的解析に用いた波などが異なっている。以下では、原子力発電所に付属する建築物を中心に耐震設計の基準について述べる。

1981年の耐震設計審査指針

上述のように日本国内の多くの原子力発電所はこの指針に則った形で設計されている[2]。以下、本文中ではこの指針を旧指針と表現する。

この中で、発電用原子炉施設をどのような場所に設置するかを以下のように述べている。 「発電用原子炉施設は想定されるいかなる地震力に対してもこれが大きな事故の誘因とならないよう十分な耐震性を有していなければならない。また、建物・構築物は原則として剛構造にするとともに、重要な建物・構築物は岩盤に支持させなければならない。」 このように、旧指針においては岩盤上に発電所本館を設置することが求められていた。

また、原子炉施設を重要度に応じて、地震により発生する可能性のある放射線による環境への影響の観点から、Aクラス、Bクラス、Cクラスの3段階(なお、Aクラスのうち最重要であるものはAsクラスに分類される)に分けられ、それぞれに応じて設計上の地震力が規定されている。

2006年の耐震設計審査指針

2006年9月19日に「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」として原子力安全委員会が決定したものである[3]。以下現指針と表記する。

旧指針から約15年もの間旧指針が用いられてきた。しかし、その間にも地震学や地震工学において技術は格段に進歩したものの、それらの最新知見はほとんど反映されてこなかった。そこで、2006年に現指針が制定された。

旧指針では、前述の通り岩盤上に発電所本館等の重要施設を岩着することが求められていたが、現指針ではこれを「建物・構築物は、十分な支持性能を持つ地盤に支持されなければならない」に変更することとなった。

また、原子炉施設は重要度を四段階によるものから三段階のSクラス(旧指針におけるAsクラス、Aクラス)、Bクラス、Cクラスに変更した。

(後略)
KEY_WORD:基準地震動: