[2017_05_05_01]柏崎原発・活断層の可能性−食い違う火山灰堆積年代(新潟日報2017年5月5日)
 
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柏崎原発・活断層の可能性−食い違う火山灰堆積年代

 東京電力柏崎刈羽原発の敷地内外にある断層が将来活動する可能性が浮上している。原子力規制委員会に活断層だと判断されれば、東電が原発を動かせなくなることも想定される。判断の鍵を握るのは、原発周辺の地層から見つかった火山灰の堆積年代だ。火山灰の年代は断層が過去に活動した年代を測る物差しと言える。その重要な年代評価が東電と県内の地質学の専門家グループとで食い違っている。なぜなのか。柏崎刈羽原発の安全性にどう影響するのか。食い違う両者の評価を中心にまとめた。

1.名前2つ−採取地は別、成分一致
 年代の違う2つの火山灰は今まで別の物だと考えられていた。だが、専門家グループの「似ている」との指摘を受け成分分析を行ったところ、今年4月、2つの火山灰の成分がほぼ一致したという分析結果を発表した。

2.主張根拠−東電と専門家平行線
 専門家グループが堆積年代を約13万年前と評価する根拠は、「藤橋40」が見つかった場所だ。東電は、この藤橋地域で詳細な地質調査を行ったわけではない。

3.13万年前−耐震安全性に影響も
 原子力規制委員会の新規性基準では、約13万〜12万年前以降に活動した断層は、将来も再び動く可能性がある活断層と見なされる。柏崎刈羽原発の敷地内外には多くの断層があるが、東電は「約20万年前以降の活動はない」として、将来の活動性を否定している。
 原発の敷地内や周辺に活断層があれば、強い地震に襲われたり、原発直下の地盤がずれたりして原発の安全性に大きく影響する。規制委は既に、柏崎刈羽原発6,7号機の審査で技術的な検討を終えたが、一部をやり直す事態にもなりかねない。

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