[2018_01_22_01]原発事故賠償上限見送り=国民の理解困難―有識者会議素案(時事通信2018年1月22日)
 
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原発事故賠償上限見送り=国民の理解困難―有識者会議素案

 政府の原子力委員会は22日の有識者会議で、原発事故時の損害賠償制度見直しの素案を取りまとめた。
 電力会社の賠償範囲については、上限導入を見送り、制限なく賠償義務を負う「無限責任」の維持を明記した。電力業界などは原発事業に伴うリスクをあらかじめ明確にする観点から上限導入を求めていた。
 素案では、賠償を有限とした場合、国民の理解を得るのが困難な点や、電力会社の資産に基づいて上限を決めれば賠償資金の確保に支障を来しかねない点を指摘。さらに電力会社が安全投資を減少させる恐れなどを挙げ、「法的、制度的に短期的に解決できない課題が多い」として無限責任維持が妥当と結論付けた。
 一方、事故時に支払われる保険金や政府による補償金(それぞれ最大1200億円)の在り方については、「引き続き慎重な検討が必要だ」として、結論を先送りした。有識者会議では引き上げる方向で議論が進んでいるが、具体的な金額、電力会社が毎年度拠出する保険料や補償料などの詳細について関係省庁間で調整を続ける。

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