[2018_04_03_01]<玄海原発蒸気漏れ>長期停止の落とし穴 九電、巡視で見逃し(佐賀新聞2018年4月3日)
 
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<玄海原発蒸気漏れ>長期停止の落とし穴 九電、巡視で見逃し

 配管は変色し、カバーの外装板も黒くさびていた。九州電力玄海原発3号機(東松浦郡玄海町)の2次系設備の配管から蒸気が漏れた問題。九電は2日、外装板の継ぎ目から雨水がしみこみ、さびを引き起こしていたと説明した。長期停止で見逃した落とし穴に担当者は「残念」と漏らした。
 「予防の観点で発電所員、本店も含めて取り組んできたが、残念な漏えいの事象が発生した」。長期停止からの慎重な運転再開は、佐賀県などが再三、くぎを刺していた課題だっただけに、会見に臨んだ担当者は苦渋の色をにじませた。今回の問題は、既に再稼働した川内原発(鹿児島県)などでは前例がない。「一度(トラブルが)起こると気をつけるんですが…」と口ごもった。
 穴が開いた配管は屋外にある。運転中なら100度程度になり「雨水が浸入しても熱で蒸発する」(九電)ため、これまで問題化しなかった。2010年12月からの運転停止で、しみこんだ雨水は蒸発することなく、結果的に赤茶色の配管の周りは湿ったままの状態になり、黒く変色した。
 死角になっていた外装板の下部で腐食が進行していたが、複数の巡視でも気づかなかった。九電は今回の問題を受け「巡視の仕方に考えるところはある」と述べ、「(雨水にさらされるような)類似箇所の点検をする」と強調した。

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