[2018_05_13_02]二次災害に要警戒 北部で震度5弱、各地に影響(中日新聞2018年5月13日)
 
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二次災害に要警戒 北部で震度5弱、各地に影響

 長野市と大町市、小川村で震度5弱を観測した十二日の地震で、長野市で市道ののり面が崩れ、大町市の民家の土蔵の壁に亀裂が入るなどした。けが人や家屋の倒壊はなかったが、県は十三、十四日に降雨が予想されることから、土砂崩れが起こりやすくなると警戒を続けている。
 長野市信州新町では市道ののり面が幅五メートルにわたって崩れ、市に依頼された業者が土砂を撤去した。近くに住む農業西沢要二さん(86)は「現場はよく土砂崩落が起こる。通行止めになれば迂回(うかい)が必要になる」と話した。
 この地区では庭に約五メートルのひび割れが二本生じた民家もある。この家に住む無職宮尾英子さん(92)が地震の揺れに驚き、庭に出て見つけた。「怖かったし、地面も割れてえらいことになった」とつぶやいた。
 大町市では、民家の土蔵の壁に長さ約四メートル、幅最大二センチの亀裂が入った。市立大町図書館では、二階のスタッフルームに掲げてあった直径約三十二センチの掛け時計が落下し、表面のガラスが割れた。
 国宝松本城では、地震発生から十五分ほど、安全確認のため天守への入場を規制した。再開後も一度に入場できる人数を通常の半分程度の二十人ほどに制限した。
 地震発生時、天守の二階にいた警備員は「お客さんの携帯から一斉に緊急速報が流れ、揺れがきた。怖さは感じず、お客さんも落ち着いていた」と振り返った。
 この日に災害対策本部を設置した県の担当者は「余震とともに土砂崩れにも気をつけ、崩落しそうな斜面などには近づかないでほしい」と話している。
 (渡辺陽太郎、高橋信、松本貴明)

 震度2以上だった市町村は次の通り(長野、大町市は市内の主な地点)。
 ▽震度5弱=長野市信州新町、同市中条、大町市美麻、小川村
 ▽震度4=長野市箱清水、同市戸隠、同市鬼無里、大町市八坂、小谷村
 ▽震度3=長野市鶴賀、同市豊野町、同市大岡、大町市役所、松本市、諏訪市、中野市、千曲市、安曇野市、青木村、麻績村、生坂村、筑北村、池田町、松川村、白馬村、信濃町、飯綱町
 ▽震度2=上田市、岡谷市、飯田市、須坂市、小諸市、飯山市、茅野市、佐久市、東御市、小海町、佐久穂町、軽井沢町、立科町、長和町、下諏訪町、辰野町、箕輪町、中川村、高森町、大鹿村、木曽町、山形村、坂城町、小布施町、木島平村

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