[2018_08_02_02]原発兵庫訴訟 東電「対策引き延ばした」 原告側がメモ提出(神戸新聞2018年8月2日)
 
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原発兵庫訴訟 東電「対策引き延ばした」 原告側がメモ提出

 東京電力福島第1原発事故で兵庫県内への避難者ら92人が国や東電に損害賠償を求めた訴訟(兵庫訴訟)の第25回口頭弁論が2日、神戸地裁であった。原告側弁護団は、東電と日本原子力研究開発機構などが2008年3月に開いた津波対応に関する会合で、東電が「02年ごろに国から検討要請があり、結論を引き延ばしてきた」と述べたとする議事メモなどを提出し、責任を追及した。
 弁護団によると、同機構が作成した議事メモ。ジャーナリスト木野龍逸氏が開示を請求し、1日に事故の検証サイト「Level7」で公開された。全国で約30件提起された避難者らの集団訴訟で、提出は初めてという。
 議事メモでは、政府の地震調査研究推進本部が02年に示した長期評価について、同機構や東電などが08年3月に対応を議論した会合を記録。東電は「福島県の日本海溝沿いでM(マグニチュード)8を超える津波地震などが発生する可能性があるとの新しい知見を取り入れざるを得ない状況」と説明したとされる。
 弁護団は「費用負担回避のため、対策の先送りばかり考えていた」と非難し、「東電の引き延ばしに対応しなかった」と国の不作為も批判した。

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