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[2025_08_28_03]秋田知事「国家の事業で国を代表する企業、ないと思っていた」…三菱商事の洋上風力撤退(読売新聞2025年8月28日) | ![]() |
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08:51 三菱商事(東京)が27日、秋田県内の二つの海域で計画していた洋上風力発電所の建設事業からの撤退を発表した。県の新たな基幹産業としての発展が期待されていたことから、県内に落胆の声が広がった。 早期の再公募求める声 2海域での代表企業「三菱商事洋上風力」社長の田中俊一ら6人が同日午前、重苦しい表情で男鹿市役所3階の市長応接室に入った。三菱商事が記者会見で撤退を表明する3時間半前のことだった。 同市によると、市長の菅原広二が撤退報道の真偽を尋ねると、田中が「完全撤退することになった。おわびします」と頭を下げた。建設資材の高騰など撤退の理由が一通り説明され、今後については「午後の会見を見てほしい」と述べるにとどめたという。 30分の面会を終えた田中は、報道陣に「丁寧に説明させていただいた」と語り、市役所を後にした。 同市は、2海域の一つ「能代市・三種町・男鹿市沖」の一角を担う。菅原は「地元の期待が大きかっただけに撤退はショック。国は新たな再入札や公募をし、影響を最小限に抑えていただきたい」と話した。 三菱商事などの企業連合が撤退する県沖の2海域 県沖では、三菱商事洋上風力を中心とする企業連合が、一般海域では国内初の着床式の洋上風車の事業者に選ばれ、「能代市・三種町・男鹿市沖」に38基、「由利本荘市沖」に65基を整備する計画だった。 県は、2海域で20年間の事業が行われた場合、建設工事や保守点検、建設資材運送などの経済波及効果が約2500億円に上ると試算している。 能代市長の斉藤滋宣は「国の動向を注視する」と語った。三種町企画政策課長の加藤登美子は「残念な結果だ。地域貢献策は引き続き協力をお願いしていきたい」と話した。 由利本荘市では、これまで市内のホテルや賃貸住宅の需要が高まるなど経済効果が出ていた。同市商工会長の佐藤久美は「縮小はあっても撤退はないと思っていた。参画を見据え準備していた企業もあり、市とも相談しながら善後策を考えたい」と語った。 三菱商事の洋上風力事業を巡る県内の動き 観光振興にもなると期待していた同市長の湊貴信は談話で、「市沖は洋上風力の適地として優位性がある。国には早期の再公募を期待する」と求めた。 2海域を巡っては、三菱商事社長の中西勝也が今年2月、コスト上昇を理由に「ゼロから見直す」と発言したが、知事の鈴木は27日に県庁で報道陣の取材に応じ、「国家のプロジェクトで、国を代表する企業の撤退はないと思っていた。大変な衝撃を持って受け止めている」と述べた。その上で「地元が振り回されることのないよう実現可能な制度を作っていただきたい」と国に注文を付けた。 三菱商事の中西は27日の会見で、「期待を裏切る結果になって大変申し訳ない」と陳謝した。(敬称略) |
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