[2024_04_02_01]青森県と岩手県で震度5弱 津波の心配なし(NHK2024年4月2日)
 
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青森県と岩手県で震度5弱 津波の心配なし

 07:56
 2日朝早く、岩手県と青森県で震度5弱の揺れを観測する地震がありました。気象庁は揺れの強かった地域では今後1週間ほどは最大震度5弱程度の地震に注意するよう呼びかけています。
 地震が起きたのは午前4時24分ごろで、
 震度5弱の揺れを
 ▽岩手県の宮古市と、久慈市、普代村、軽米町、野田村、
 ▽青森県の八戸市、三沢市、野辺地町、五戸町で観測しました。
 また
 ▽震度4の揺れを岩手県と青森県、宮城県で、
 ▽震度3から1の揺れを北日本と東日本の広い範囲で観測しました。
 この地震による津波はありませんでした。
 気象庁によりますと、震度5弱以上の揺れを観測したのは、
 ▽岩手県ではおととし3月18日以来、
 ▽青森県ではおととし3月16日以来です。
 また、この地震では、長くゆっくりとした揺れ「長周期地震動」を観測し、4つの階級のうち▽下から2番目の「階級2」を岩手県久慈市で、▽最も小さい「階級1」の揺れを青森県と岩手県、宮城県の各地で観測しました。
 気象庁によりますと、震源地は岩手県沿岸北部で、震源の深さは71キロ、地震の規模を示すマグニチュード6.0と推定されています。
 気象庁は、揺れの強かった地域では落石や崖崩れなどが起こりやすくなっている可能性があるとしたうえで、今後1週間ほどは最大震度5弱程度の地震に注意するよう呼びかけています。
 今回の地震について、地震のメカニズムに詳しい東京大学の平田直名誉教授は、「岩手県沿岸北部の周辺では、2011年の東北沖の巨大地震以降、地震の活動が活発になり、去年やおととしも同じ程度の規模の地震がたびたび発生している。特に今後2、3日ほどは同じ程度の地震に注意が必要だ」と話しています。

 気象庁 震源の深さなど更新

 2日午前4時24分ごろ、岩手県と青森県で震度5弱の揺れを観測した岩手県沿岸北部を震源とする地震について、気象庁は観測データを詳しく解析した結果、
 ▽地震の規模を示すマグニチュードを6.1から6.0に、
 ▽震源の深さをおよそ80キロから71キロに更新しました。

 林官房長官「今後1週間程度 注意しながら行動してほしい」

 林官房長官は閣議のあとの記者会見で「原子力施設に異常があったとの報告はなく、人的被害については現時点で青森県八戸市と十和田市で負傷者が2人いると報告を受けている」と述べました。
 そのうえで「揺れが大きかった地域では今後1週間程度、震度5弱程度の地震の発生に注意するとともに、自治体の避難情報のほか、テレビなどの情報にも注意しながら行動してほしい」と呼びかけました。

 岩手 九戸村 体育館の照明落下や窓ガラス割れる被害 けが人なし

 震度4の揺れを観測した岩手県九戸村では、体育館の照明が落下したり窓ガラスが割れたりする被害がありました。けがをした人はいないということです。
 「九戸村体育センター」では、体育館のステージの天井に設置されていた重さおよそ1キロの照明9つのうち3つが落下しました。
 また体育館の2階にある縦1メートル、横1メートル50センチほどの窓ガラス1枚が割れました。
 けがをした人はいませんでした。
 施設によりますと、午後から体育館を利用する予約が入っていましたが、2日は安全確認のため、臨時休館するということです。
 九戸村体育センターを管理する関口守さんは「日中の時間帯の地震だったら人的被害が出たり、パニックになったりしていた可能性があったので安心しました。利用者に迷惑をおかけしますが、ご了承いただきたいです」と話していました

 十和田 80代女性 ベッドから落ちてけが

 消防によりますと、震度4を観測した十和田市では80代の女性が地震が起きたことに驚いて、ベッドから落ちて頭をぶつけるけがをしたということですが、命に別状はないということです。

 八戸 70代女性 ベッドから落ち左手首にけが

 消防によりますと震度5弱が観測された八戸市で70代の女性が自宅のベッドから落ちて左手首にけがをし市内の病院に運ばれたということです。命に別状はないということです。

 八戸 水道管から漏水か

 震度5弱を観測した八戸市などによりますと八戸市類家の市道の歩道上で水道管から漏れたとみられる水が流れている状態が続いているということです。
 現場では歩道の路面にできた裂け目から勢いよく水があふれでていて、市の担当者などが対応にあたっていました。

 東北、上越、北陸新幹線 始発から通常通り運行

 JR東日本によりますと、東北、上越、北陸の各新幹線は地震の影響を調べた結果、安全が確認できたとして、始発から通常通り運行するということです。

 岩手県で「長周期地震動」の「階級2」を観測

 2日午前4時24分ごろ、岩手県と青森県で震度5弱の揺れを観測した地震で、岩手県では長くゆっくりとした揺れ、「長周期地震動」の「階級2」を観測しました。
 「階級2」の揺れを観測したのは岩手県久慈市で、4つの階級のうち上から3番目です。
 また、「階級1」の揺れを▽岩手県の八幡平市と雫石町、▽青森県の青森市と五戸町、▽宮城県の登米市と涌谷町で観測しました。
 長周期地震動は規模の大きな地震で発生する周期が2秒を超えるような大きくゆっくりとした揺れで、特に高層ビルなどで影響が出ます。
 気象庁は、▽「階級2」は室内で大きな揺れを感じ、物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じるとしています。

 東京大学 平田直名誉教授「今後2、3日ほど同程度の地震に注意」

 今回の地震について、地震のメカニズムに詳しい東京大学の平田直名誉教授は、「震源となった岩手県沿岸北部の周辺では、2011年の東北沖の巨大地震以降、地震の活動が活発になり、去年やおととしも同じ程度の規模の地震がたびたび発生している」と指摘しています。
 そのうえで「今後数日間、特に2、3日ほどは同じ程度の規模の地震に注意し地震活動の状況は気象庁の情報も参考にしてほしい。震度5弱程度の揺れでは棚から物が落ちるなどの被害が出るおそれがあり、屋内などでは足元に注意して行動するようにしてほしい」と話しています。

 三陸鉄道 久慈〜釜石 上下線運転見合わせ

 岩手県の沿岸を走る三陸鉄道は▽久慈駅と▽釜石駅の間の上下線で始発から運転を見合わせるということです。
 また、▽釜石駅と▽盛駅の間の上下線では速度を落として運転するということです。

 八戸自動車道 通行止め解除

 東日本高速道路によりますと八戸自動車道では、地震の影響で
 ▼岩手県の九戸インターチェンジから青森県の八戸インターチェンジまでの上下線と▼八戸ジャンクションから八戸北インターチェンジまでの上下線で通行止めとなっていましたが、午前7時15分にいずれも解除されました。

 東北電力 東通原子力発電所 異常なし(午前4時50分現在)

 東北電力によりますと、震度4の揺れを観測した青森県東通村にある東通原子力発電所は午前4時50分現在、先ほどの地震による異常はないということです。

 日本原燃 青森 六ヶ所村 再処理工場など異常なし

 震度3の揺れを観測した青森県六ヶ所村にある使用済み核燃料の再処理工場などの原子力関連施設について、事業者の日本原燃によりますとすべての施設で地震による異常がないことを確認したということです。

 青森 八戸市の職員 20秒程度の横揺れ感じた

 震度5弱の揺れを観測した青森県八戸市の職員によりますと、20秒程度の横揺れを感じたということです。
 これまでのところ周囲に目立った被害は確認できていないということです。

 岩手・青森県で震度5弱以上 おととし3月以来

 気象庁によりますと、岩手県で震度5弱以上の揺れを観測したのは、おととし3月18日に起きた岩手県沖を震源とするマグニチュード5.6の地震で震度5強の揺れを観測して以来です。
 また、青森県で震度5弱の揺れを観測したのは、おととし3月16日に起きた福島県沖を震源とするマグニチュード7.4の地震以来です。

  官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置

 地震を受けて政府は、午前4時26分に総理大臣官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置し、被害の確認などにあたっています。

 青森県の警察本部 被害の通報なし(午前4時半現在)

 震度5弱の揺れ御観測した青森県の警察本部によりますと午前4時半現在、地震の揺れによる被害の通報はこれまでのところ入っていないということです。

 岩手県の警察本部(午前4時半現在)

 震度5弱の揺れを観測した岩手県の警察本部によりますと午前4時半現在、地震の揺れによる被害の通報は入っていないということです。


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