[2024_03_21_07]エネ庁長官、新潟知事に再稼働への理解求める 柏崎刈羽原発(毎日新聞2024年3月21日)
 
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エネ庁長官、新潟知事に再稼働への理解求める 柏崎刈羽原発

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 資源エネルギー庁の村瀬佳史長官は21日、新潟県庁に花角英世知事を訪ね、東京電力柏崎刈羽原発(同県柏崎市、刈羽村)の再稼働を目指す政府方針を説明し理解を求めた。政府はエネルギーの安定供給や福島第1原発の廃炉費用の捻出のため、柏崎刈羽原発6、7号機の早期再稼働が必要だとしている。花角氏は「議論を深め、県民がどう受け止めているか、丁寧に見極めていきたい」と答えた。

 柏崎刈羽原発では2021年1月以降、東電社員がIDカードを不正利用し、中央制御室に出入りするなど、テロ対策上の不備が相次ぎ発覚。原子力規制委員会は21年4月、事実上の運転禁止命令を出したが、改善されたとして昨年12月に解除した。再稼働には原発が立地する県、柏崎市、刈羽村の同意が必要になる。
 村瀬長官は面会で、再稼働方針を記した斎藤健経済産業相からの文書を花角氏に渡した。能登半島地震など災害から得た教訓を原子力災害の対策強化に生かし、再稼働後も政府が責任を持ち対処するとした。
 原発を稼働していない東日本エリアでは、主電源を火力発電に依存し、発電所は東京湾や太平洋側に集中している。老朽化も進み、災害時に複数の火力が停止すると、需給が逼迫(ひっぱく)する恐れもある。村瀬長官は「東日本エリアの電力需給は厳しく、柏崎刈羽原発の再稼働が非常に重要」と理解を求めた。
 花角氏は、規制委が原発事故時の住民避難のあり方をまとめた「原子力災害対策指針」の見直しを進めていることなどから「能登半島地震をきっかけとして、県民の間で不安が広がっている。避難や安全確保に関する取り組みを材料とし、議論を深めていきたい」と慎重姿勢を崩さなかった。
 これまで、花角氏は再稼働の判断について「県民に信を問う」と繰り返し、出直し選挙を示唆している。
 一方、柏崎市の桜井雅浩市長と刈羽村の品田宏夫村長も21日、エネ庁から個別に再稼働方針の説明を受け、いずれも前向きな姿勢を示した。柏崎市議会は同日、地元商工会議所などが提出した柏崎刈羽原発の早期稼働を求める請願を賛成多数で採択。刈羽村議会も8日に同様の請願を採択している。【中津川甫、内藤陽、佐久間一輝】
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