[2024_03_14_03]乾式貯蔵施設 原発立地の3町長 了承の考え示す(NHK2024年3月14日)
 
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乾式貯蔵施設 原発立地の3町長 了承の考え示す

 19:12
 関西電力が、県内の原子力発電所に使用済み核燃料を一時的に保管する施設を設置する計画について、原発が立地する3つの町の町長が14日、県に対して、関西電力が国への申請を行うことを了承する考えを示しました。

 これを受け、杉本知事も近く、判断を示す方針です。
 関西電力は、県内の原発から出た使用済み核燃料を一時的に保管する「乾式貯蔵施設」を、美浜、高浜、大飯のすべての原発に設置する計画です。
 この計画について14日、原発が立地する3つの町の町長が県庁を訪れ、中村副知事と面談しました。
 この中で、美浜町の戸嶋秀樹町長は「現時点で施設の安全性に一定の評価ができ、町民の理解が進み、さらに、地域振興への事業者の取り組みの方向性が確認できた」と述べ、関西電力が設置に向けて国へ申請を行うことに対して了承することを明らかにし、ほかの2人の町長も了承する考えを示しました。
 これに対し、中村副知事は「それぞれの町の意見を十分に尊重した上で、県としては安全を最優先に申請の了承について速やかに判断したい」と応じていました。
 乾式貯蔵施設の設置をめぐって、県は、国に申請を行うことへの「了承」と国の審査を経て、設置工事に入ることへの「了解」の2段階で認めるかどうかの判断を行う方針で、杉本知事は、まず、申請の了承について、原発が立地する町の意見を踏まえて判断する考えを示していました。
 今回の3つの町の了承を受け、杉本知事は近く、国への申請の了承について判断し、関西電力に伝えるとみられます。

 [美浜町 高浜町 おおい町の町長は・・]

 関西電力が乾式貯蔵施設の設置に向けて国に審査の申請を行うことについて、了承する考えを示した美浜町の戸嶋秀樹町長は「今後、原子力規制委員会による審査が行われる中で、施設のさらに具体的な計画が出てくるので、その経緯を注視したい。また、関西電力には原子力発電所にトラブルや事故があった際の避難道路の多重化や強じん化に協力してもらいたい」と述べました。
 同じく了承する考えを示した、高浜町の野瀬豊町長は「まずは、すでに原発内にある使用済み核燃料のリスクをいかに下げるかが大事で、乾式貯蔵施設に保管することは安全上、一定の合理性がある。その上で、関西電力が使用済み核燃料を県外に搬出する計画を示したロードマップを確実に履行することが重要だ」と述べました。
 また、おおい町の中塚寛町長も了承する考えで「関西電力には、国の安全審査のあとには設置前の『了解』を判断するため、しっかりと説明の機会を設けてほしいと伝えている。その際に使用済み核燃料の保管期間や、その前提となる安全確保の取り組みについて説明を求めたい」と述べました。
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