[2024_03_05_01]志賀原発は廃炉に 規制委の指針は絵に描いた餅 鎌田慧(ルポライター)(東京新聞2024年3月5日)
 
参照元
志賀原発は廃炉に 規制委の指針は絵に描いた餅 鎌田慧(ルポライター)

 04:00
 先月末「志賀原発を廃炉に!訴訟原告団」など石川県の7市民団体が上京、衆議院議員会館で首相、経済産業相、原子力規制委員会宛てに「志賀原発の廃炉を求める要請書」を共同提出した。
 そのあと、原告団の北野進団長などそれぞれが、志賀原発の廃炉を訴えた。地震後、住民と政府との初めての会談だった。
 今回の地震で、能登半島各地では複数の断層が連動、道路の寸断、土砂崩れ、隆起・陥没が発生、救援活動さえ困難な状況になった。
 それでもなお、規制委の山中伸介委員長は「安全上の問題はない」と発言している。
 それに対して安全が確認されていない中での安全宣言は撤回せよ。内閣の原子力災害対策指針や自治体の避難計画を根本から見直せ、などの意見が各代表から続出した。
 原発から5キロ圏内は「圏外避難」、それ以上は「屋内退避」とする規制委の指針は、家の下敷きになった人や道路が破壊されて脱出できない現実をみれば、絵に描いた餅。
 唯一の救いは、原発が稼働していなかったことと、中部、関西、北陸の3電力が計画した「珠洲原発」が反対運動でつぶされていたことだった。
 鋭い追及を受けて各官庁の担当者は「既定方針を見直しています」というだけで精いっぱいだった。
 会場で発言を求められて、わたしは「政府は空理空論ばかりだ。政府を替えるしかない」といった。          (3月5日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」)
KEY_WORD:能登2024-珠洲原発(2003年凍結)_:SIKA_:珠洲原発_: