[2024_03_30_03]柏崎刈羽原発の再稼働は絶対ダメ 能登半島地震であぶり出された柏崎刈羽原発の持つ危険度 日本海津波の恐ろしさを忘れたか (上) 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)(たんぽぽ2024年3月30日)
 
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柏崎刈羽原発の再稼働は絶対ダメ 能登半島地震であぶり出された柏崎刈羽原発の持つ危険度 日本海津波の恐ろしさを忘れたか (上) 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

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 1 柏崎刈羽原発で2024能登半島地震の影響が

 本年1月1日に発生した「2024能登半島地震」では柏崎刈羽原発にも多大な影響を与えた。
 地震の揺れそのものとしては、記録された最大値は3号機の87.1ガルで、柏崎刈羽原発で想定する基準地震動からは大きく下回っていた。
 しかしこの小さな地震の揺れで、なぜかスクラム信号が発信される規模の大きさを観測したと報じられている。即ち、原発を停止させるために設置された地震計では120ガルを超える揺れを観測していたことになる。(原子炉自動停止の「地震加速度大」設定値は原子炉建屋の最地下階床で水平120ガル、上下100ガル、原子炉建屋の中間階床で水平185ガル。) もちろん、地盤と建家内では揺れの大きさが異なることは普通で、建屋に設置されているスクラム起動用地震動は大きくなると思われるが、それでも原子炉を緊急停止させる「地震加速度大」スクラム設定値を6号機だけで超えていた。他の号機のデータは公表されていないため、ばらつきの範囲なのかどうか判断できない。
 東電にはそういった情報を全て公開するように求めている。
 なお、地下階の地震計の揺れは1号機が76.3(ガル、以下同じ)、2号機が75.2、3号機が87.1、4号機が66.7、5号機が80.9、6号機が86.4、7号機が84.2である。

 2 柏崎刈羽原発での地震の特徴

 こうしたことを問題にするのは、柏崎刈羽原発が特異な地盤の上に建っているからである。
 2007年7月の中越沖地震では、1から4号機の「荒浜側」と5から7号機の「大湊側」では揺れが全く異なっていた。
 大湊側に比べて荒浜側で揺れが大きくなり、3号機で起動変圧器が炎上するなど大きな被害が出ていた。
 データでもそのことははっきり示されていて、荒浜側の最大加速度は1号機の680ガルに対して大湊側は5号機の442ガルと、1.5倍も大きかったのである。
 一つの敷地に発つ原発、差し渡しで最大1500メートルほどの範囲で揺れが大きく異なる理由は、起震断層(揺れを発生させる断層面のこと)から原発までの間に、まるでレンズのように揺れの波を集める構造があったことが理由とされる。
 これを「低速度域」などと呼んでいるが、地震波が伝播する間に軟弱な地盤にさしかかったところで揺れが低周波数に変換されて速度が相対的に遅くなり、実際に発生している低周波数の波と合わさって強い揺れになり襲いかかったという。
 これは中越沖地震の震源域からの波で起きたことだが、では、他の地震ではどうなのか、精密な解析がされないと特定の地震の発生させる揺れに対して本当の耐震強度が分からない。
 しかし東電には問題意識は無いようで、能登半島沖地震について地震記録を精査して揺れの変化を捉えようとする分析を行っている形跡は無い。
          (下に続く)
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