[2016_11_22_06]津波起きやすいタイプ 海底上下に動く正断層型 強い口調で「すぐ逃げて」NHKアナ(東奥日報2016年11月22日)
 東日本大震災により地震活動が活発化した太平洋沖ではマグニチュード(M)7級の余震が続いている。太平洋沿岸に広く津波をもたらした22日の地震もその一つ。気象庁は今回、津波が発生しやすいタイプの地震だったとみている。
 一方、震源が沖にあり、熊本地震のような内陸の活断層による直下型地震と比べ、陸地の揺れは比較的大きくなかった。
 気象庁は、陸側のプレート(岩板)の内部で発生し、引っ張られる力によってずれる「正断層型」と解析している。断層が上下方向にずれ、それに応じて海底が上下方向に動いて海水を押し上げるため、津波が発生しやすい。大震災の地震はプレートの境界で起きたが、それとは異なるタイプだ。
 地震の規模がM7.4と大きく、震源が浅かったことも津波の発生につながった。震源が沿岸に近く、津波は減衰する前に陸地に到着したため、宮城県や福島県で1メートル前後と大きなものになった。名古屋大の山岡耕春教授(地震学)は「海底が広範囲に沈降している可能性があり、それによって直接海水が動かされて津波が発生した」と説明する。
 M9の巨大地震だった大震災は、陸側のプレートが跳ね上がるように動く逆断層型。22日の地震は断層の動き方が異なるが、大震災の震源域内で起きており、気象庁は余震と判断している。津波に詳しい佐竹健治東京大地震研究所教授も「(大震災とは)メカニズムが違うが、広い意味での余震と言える」とする。
 佐竹教授によると、22日の地震が起きた場所では元々は正断層型の地震は少なかったが、巨大地震の影響で地殻への力の掛かり方が変化したとみられる。

強い口調で「すぐ逃げて」
NHKアナ

 NHKは22日早朝、福島県沖を震源とする地震で福島県に津波警報が出たことを受け、アナウンサーが切迫した口調で「皆さん、東日本大震災を思い出し、命を守るため今すぐ逃げてください」などと避難を呼び掛けた。
 NHK総合のニュース番組「おはよう日本」で、画面で赤地に白の文字で「すぐにげて!」と表示。アナウンサーが福島県で予想される波の高さが3bであると伝えた上で「3bは人の背丈の2倍ほどの高さです」「津波はものすごい力を持っています」などと繰り返し訴えた。
 NHKでは東日本大震災の教訓を生かし、画面表示や避難の呼び掛け方法を変更している。
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