[2016_11_22_25]M7.4 東北沿岸津波 仙台1.4メートル 福島など震度5弱 県内、一時274人避難 3ヵ所で海面変動(東奥日報2016年11月22日)
 22日午前5時59分ごろ、福島県沖を震源とするマグニチュード(M)7.4の地震があり、福島、茨城、栃木の3県で震度5弱を観測した。仙台市に140センチ、福島県の東京電力福島第1原発に100センチ、岩手県の久慈港に80センチの津波が到達した。その後も震度1〜3の地震が続いた。
 気象庁によると、東日本大震災の大震災の余震とみられ、140センチの津波観測は大震災以降、最大。マグニチュードの規模はM7.3の阪神大震災や熊本地震を上回った。震源地は福島県いわき市の東北東約60km沖で、震源の深さは約25キロ。気象庁は福島、宮城両県に津波警報、青森、岩手、茨城、千葉各県に津波注意報を出した。
 青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉各県では、沿岸部の一部自治体の住民らに避難指示も出され、福島県では3千人以上が避難した。東北、関東地方の小中高校など約260校が臨時休校となった。気象庁は、今後1週間程度、最大震度5弱の地震と津波に注意が必要としている。
 電力各社と日本原子力発電によると、福島第2原発3号機の使用済み核燃料プールの冷却設備が一時停止した。菅義偉官房長官は記者会見で「放射能漏れや、燃料の温度が上がるものでない」と述べた。
 福島第1原発に新たな異常はない。東通原発、宮城県の女川原発、茨城県東海村の東海第2原発にも異常は確認されていない。いずれも運転停止中。日本原子力研究開発機構(原子力機構)の施設も異常はなかった。
 警察庁などによると、22日午前8時現在、福島市で60代男性が、福島県矢吹町で70代女性が、それぞれ軽傷を負った。このほか仙台市で女性(65)が左脚を負傷した。宮城県内の漁港では小型ボート計3隻が転覆。津波の影響とみられ、人が乗っていなかったかどうか海上保安部が確認を進めている。福島県警によると、午前6時15分ごろ、同県いわき市錦町の石油コンビナートで火災が発生、約25分後に鎮火した。けが人はないとみられる。
 政府は22日午前、首相官邸内の危機管理センターに官邸対策室を設置した。防衛省は、地震被害の確認のため、自衛隊の戦闘機やヘリコブターを発進させた。警察庁も警備局長をトップに災害警備本部を設置した。

 県内、一時274人避難 3カ所で海面変動

 22日朝、福島県沖で発生した地震の影響で、気象庁は本県の太平洋沿岸に津波注意報を出したが、午前9時46分に解除した。県防災危機管理課によると、22日年前11時現在、県内で人的被害の情報はない。
 本県では午前9時ごろまでに、八戸港と六ヶ所村のむつ小川原港、むつ市関根浜で、津波とみられる7センチ未満の海面変動が確認された。
 県内では一時、八戸市、三沢市、階上町、東通村に避難指示、むつ市、おいらせ町、六ヶ所村、風間浦村に避難勧告が出され、最大274人が避難所に身を寄せた。避難勧告と避難指示は同日午前10時10分までに県内すベての自治体で解除された。
 学校関係では、むつ市の正津川小学校が臨時休校の措置を取ったほか、八戸市の3小中学校が注意報解除まで自宅待機、風間浦小、中学校は午後からの授業とした。
 青森地方気象台によると、県内では震度3を八戸市、十和田市、七戸町、六戸町、五戸町、東北町、南部町、階上町、おいらせ町で観測。このほか広い範囲で震度1〜2を観測した。
    (本紙取材班)
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