[2016_11_23_05]福島沖地震 6県1万4000人避難 想定外の津波、混乱も(東奥日報2016年11月23日)
 22日早朝に起きた福島県沖を震源とするマグニチュード(M)7・4の地震で、共同通信の集計によると、津波が到達した青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の6県では計約1万4千人が一時、避難所に身を寄せた。総務省消防庁によると、宮城、福島、千葉各県と東京都で計17人がけがをした。うち福島県で高齢の女性2人が転倒して骨折するなど、3人が重傷となった。
 沿岸の自治体は気象庁の情報に基づいて避難を呼び掛けるかどうかの判断をしたが、宮城県には同庁の予測を上回る津波が到達、急きょ同庁は注意報から警報に切り替えた。避難を巡って自治体の対応に混乱が生じるなど、予測精度に課題を残した。
 避難者数は、各自治体が発表した避難所などに集まった人を集計したもので、ほかに高台や避難所以外に逃げた人も多いとみられる。東日本大震災の経験から地震直後に逃げた人が多かったが、一部地域では避難の車が渋滞した。
 気象庁によると、当初は宮城県に津波注意報(20センチ以上から1メートル以下)を出していたが、実際には仙台市に140センチの津波が到達。このため津波警報(1メートル超から3メートル以下)に切り替えた。一部自冶体の担当者は、「警報であればすぐに避難指示を出せた。注意報での判断は難しかった」と話している。気象庁の担当者は「なぜ津波が高くなったか分析し、改善するポイントがあれば改善したい」と話した。
 22日午後11時すぎにも、福島県で震度4を観測する地震が発生。気象庁は今後1週間程度、最大震度5弱の地震と津波に警戒を呼び掛けた。
 東京電力は津波注意報の解除を受け、福島第1原発の原子炉建屋などがある敷地海側を巡回し、汚染水漏れがないことを確認。福島第2原発を巡回した結果、1から4号機に異常は見られなかった。JR東日本によると、東北新幹線は午前中一時運転を見合わせ、上下37本が最大約1時間遅れ、約2万4千人に影響した。
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