[2022_03_25_01]玄海原発乾式貯蔵施設、佐賀県が事前了解 25年度着工、27年度運用開始へ(佐賀新聞2022年3月25日)
 
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玄海原発乾式貯蔵施設、佐賀県が事前了解 25年度着工、27年度運用開始へ

 佐賀県は24日、九州電力が玄海原発(東松浦郡玄海町)の使用済み核燃料の貯蔵能力強化のために計画している乾式貯蔵施設について、事前了解した。南里隆副知事は、原子力規制委員会が設置変更許可を出していることを念頭に「法令上の要求に適合し、規制委の審査結果にも不合理な点はない」と判断の理由を述べた。九電は今後、規制委に工事計画認可を申請し、2025年度の着工、27年度の運用開始を目指す。
 安全協定に基づき、19年1月に九電が県と玄海町に事前了解願を出し、玄海町は21年9月に事前了解していた。規制委は21年4月に設置変更を許可している。
 南里副知事が県庁で、九電の豊嶋直幸常務に事前了解の文書を手渡した。南里副知事は九電に求める順守事項として、(1)安全最優先の工事(2)使用済み核燃料の早期搬出に万全を期すこと(3)玄海原発のさらなる安全対策に不断に取り組むこと―の3点を挙げた。その上で「原子力発電には県民の厳しい目が向けられていることを受け止め、常に緊張感を持って取り組むことを改めて要請する」とした。
 豊嶋氏は終了後、使用済み核燃料の貯蔵対策に関し「六ケ所(再処理工場)に搬出することが基本方針」とした上で「リラッキング工事と併せ、乾式貯蔵施設が事前了解を得られたことで、敷地内の貯蔵に関して多様化した余裕のある運用ができる。非常にありがたい」と記者団に述べた。
 乾式貯蔵施設はキャスクと呼ばれる金属容器に使用済み核燃料を入れ、空冷する。原発の正門近くに整備する計画で、最大960体保管できる。1〜4号機の使用済み核燃料のうち、プールで15年以上保管したものを収容する予定で、対象の燃料は2月末現在で約1100体あると説明する。
 冷却に水や電源を必要とせず、日本原子力発電東海第2原発(茨城県)、東京電力福島第1原発(福島県)で導入実績がある。東京電力ホールディングスと日本原子力発電が設置する青森県むつ市の中間貯蔵施設でも用いられ、四国電力と中部電力も設置計画を進めている。(大橋諒)

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