[2014_09_19_02]断層調査半ば「残念」 規制委の島崎氏 退任会見(東奥日報2014年9月19日)
 
 原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理は18日、任期満了に伴う退任会見を都内で開いた。東北電力東通原発の敷地内破砕帯(断層)の評価や六ヶ所再処理工場の耐震審査などを担当してきた島崎氏は、東通など一部の原発の破砕帯調査が中途のまま離任することについて「非常に残念」と語った。
 2年間の任期について、島崎氏は「働きやすい職場で幸せな時間を過ごせた」と振り返ったが、断層調査や再稼働の前提となる適合性審査の進め方が「厳しすぎる」との批判を受けたことについては、「私から見て厳しいところは一つもなかった。当たり前のことをしてきただけ」と反論。「事業者は変わらないといけない」と訴え、安全に対する一層の意識改革を求めた。

 島崎氏は任期中に、日本原子力発電敦賀原発の敷地内断層の活動性を認定したほか、他原発の審査でも地震想定に納得せず、突き返すなどした。
 東通原発の断層評価でも、活断層の可能性をめぐって有識者側と東北電力の主張が対立したままとなっている。
 最後に、任期中最も印象に残ったことを聞かれた島崎氏は「例えば東通のトレンチ(試掘溝)の壁面。別に地震の跡が有る無しではなくて、地層の重なり具合など、自然そのものがものすごく美しいと思った」と振り返り、会見場を後にした。
 同じく18日で退任する大島賢三委員も会見し、規制委と首長や議員との対話が不足しているとの指摘に対し、「会うべき人と意見を戦わせ、きちんと判断をするのが委員の任務だと思う」と改善の必要性に言及した。
 新たな委員となる田中知東京大大学院教授と石渡明東北大教授は19日付で就任する。
   (藤本耕一郎)
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