[2018_11_29_03]近接原発の事故対策要求 東北電も検討必要に(東奥日報2018年11月29日)
 
 原子力規制委員会は28日の定例会合で、複数の原発などが半径5キロ内にある場合の重大事故対策の策定を電力事業者に求めることを決めた。一方の施設で事故が起きても、もう一方に影響が及ばないようにする。
 各地の原発の多くは敷地内に複数のプラントがあり、規制委の再稼働審査では、一つで事故が起きても、他のプラントに影響が及ばない対策を電力事業者に求めているが、近接する別々の原発などの事故対策は決まっていなかった。
 国の指針では原発で重大事故が発生した場合、5キロ圏内の住民は直ちに避難すると定めている。
 対策が必要と想定されるのは、東通村で建設中の東京力東通原発で、近くには東北電力の東通原発(再稼働審査中)がある。東電が今後、新規稼働に向け審査を申請した場合、東北電の施設で事故が起きても自社施設に影響が出ない対策を策定し、内容が妥当かが審査対象になる。規制委によると、運転員らが避難しても、新たな事故が起きない対策などを求める。

 東北電も検討必要に

 近接する原発の重大事故を想定した影響対策に関し、東通村にある東北電力東通原発は再稼働へ向けた安全審査の途上にある一方、敷地が隣り合う東京電力東通原発は建設工事が中断したまま。仮に東北東通原発が再稼働した後であっても、東電の工事が進めば「(東北電は)必要な対応を検討しないといけない」(原子力規制庁)という。
 規制庁によると、東北電に求められる影響対策は当面、現在進行中の安全審査の中で検討される。ただ、審査の段階でどの程度必要となるかは不透明だ。
 東北電は取材に「現時点で(東北電の)審査への影響は特段ないと考えている」とした上で、「周囲の施設からの影響について自主的に確認していく」とコメントした。
 東電は8月から現地で地質調査を始め、現在はボーリング調査を進めている。広報室は「原子力規制委員会の決定を受けて今後、適切に対処したい」とした。(佐々木大輔、山内はるみ)
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