[2020_11_11_11](女川原発の再稼働に同意)私たちのような目に合わせたくない…福島の原発事故避難者の思い(福島テレビ2020年11月11日)
 
参照元
(女川原発の再稼働に同意)私たちのような目に合わせたくない…福島の原発事故避難者の思い

 宮城県の女川町と石巻市に立地する東北電力・女川原子力発電所。
 福島県で最も近い新地町まで、直線で約75キロ。東日本大震災を引き起こした地震の震源には、東京電力・福島第一原発より近い位置にある。
 震災の時には、一部の非常用電源が使えなくなったが、福島第一原発のような事故は免れ、再稼働の準備を進めてきた。

そして11月11日…
宮城県・村井知事:「福島第一原子力発電所事故のこともあり、最後まで悩みましたが、了解することで意見の一致を見ました」
 宮城県と立地自治体が、再稼働に同意することを表明した。
 福島県福島市で避難生活を送る石井絹江さんは、5年前から地元・浪江町でエゴマを栽培している。
石井絹江さん:「地図から消したくない浪江町を。浪江で作る意味があるのかなと思ったんですね」
 石井さんの自宅があるのは、帰還困難区域の津島地区。
 震災前は祖父母や息子家族と8人で暮らしていたが、今は帰ることのできない場所。
 その悔しさから、女川原発の再稼働は受け入れることが出来ない。
石井絹江さん:「再稼働すべきではない。私たちのような目に合わせたくない。安全だっていう神話が崩れた以上は、それは別の方法でもっと違う考えがないのかなと思うんですね」

<国内の原発の状況は?>
 国内には建設中を含めて36基の原発があるが、稼働しているのは佐賀県にある玄海原発の1基だけ。
 2013年に、原発事故の教訓を踏まえた新たな審査基準が設けられ、審査に時間がかかっていることなどが影響している。
 東北・新潟エリアでは、女川原発の他にも、新潟県の柏崎刈羽原発と青森県の東通原発で再稼働に向けて手続きが進められている。

<原発事故を経験した福島県だからこそ伝えられること…>
 10月に開かれた北海道・東北の知事会で宮城県の村井知事が、意見がある場合は文書で出すように呼びかけた。
 これに対し福島県の内堀知事は「福島県に特に意見を求めているものではないと話された」として、意見は出していない。
 事故が起きれば、被害は県境を越えて広範囲に及ぶ。
 事業者には、幅広いエリアに対して安全性やリスク・備えなどを説明し不安に応えることが求められる。私達も関心を持って見ていく必要がある。
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