[2012_11_14_01]大間原発「活断層」 どちらが正しいの? 相次ぐ「存在」の指摘 「問題なし」事業者説明 地元町村議、不安消えず(東奥日報2012年11月14日)
 
 建設中の大間原発(大間町)の周辺海域や敷地内に活断層が存在する可能性を指摘する研究者の調査や分析が相次いだため、事業者の電源開発(Jパワー)は今月、大間など3町村議会に、同原発の安全性に問題がないと説明した。しかし議員からは「どちらが正しいのか」との声も聞かれ、現時点で不安解消には至らなかった格好だ。
 説明は9〜12日、大間、風間浦、佐井の3町村議会大間原発対策特別委員会(原特委)で行った。複数の報道で(1)大間崎北東海域に長さ約40キロの活断層が存在する可能性(2)原発敷地内に活断層が存在する可能性(3)平舘海峡に海底活断層が存在−との指摘があったことを受け、浦島彰人・大間原子力建設所長が反論した。
 浦島所長は(1)と(2)は活断層ではないと否定。(3)は同原発からの遠さなどから影響は及ばないと主張し「当社の詳細な地質調査等に基づき、いずれも大間原発の安全性に問題はないものと考える」と結論付けた。
 またJパワーの菊池浩一郎・大間現地本部長は、大間の原特委(9日)で「原子力規制委員会から要請があれば真筆(しんし)に受け止め、(活断層などの調査を)やる必要がある」などと新たな調査の可能性にも触れた。
 しかし大間の原特委では、加藤正喜委員が「(Jパワーの)調査は何年前にやったのか。(2008年に)横浜町で新しい活断層が見つかったという話もある」と、東京電力東通原発の原子炉設置許可申請後に判明した「横浜断層」を引き合いに出し、Jパワーの調査の信びょう性を問いただした。
 佐井の原特委(9日)では竹内典和委員が「Jパワーと、学者が言っていることに相反することがある。われわれはどちらが正しいのか分からない」と不安を口にし「国や事業者には『これは安全だ。安全だからやっている』とはっきりしてほしい」と訴えた。
 風間浦の原特委(12日)では、同村の最大の課題・避難道路整備問題に質疑が集中。活断層については議論にならなかった。
 Jパワー大間現地本部は、活断層に関する同社の見解を住民に説明する予定は現時点でないという。佐井村の太田健一村長は取材に対し、住民への周知について「Jパワーとも協議したい」とし、Jパワーが説明しない場合は「村独自で説明するのはわれわれの務め」と語った。
   (中村規久夫)
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