[2018_07_10_01]「下北のこと考えているのか」原子力立地、首長から不満 大手電力、青森市に相次ぎ事務所開設(デーリー東北2018年7月10日)
 
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「下北のこと考えているのか」原子力立地、首長から不満 大手電力、青森市に相次ぎ事務所開設

 大手電力による青森市への事務所開設が相次いでいる。中部電力、関西電力の後を追うように、9日に東京電力ホールディングスの子会社が年内の事務所開設を表明。原子力関連施設が立地する下北半島の自治体関係者からは「地元のことを考えているのか」と不満の声が上がる一方、反核燃派は「原子力への信頼醸成狙いだ」と批判を口にする。
 2017年1月に中電が開設した事務作業を集中的に行う「BO(バック・オフィス)センター」を皮切りに、18年1月に関電も進出を発表。年内に3社計5カ所の事務所が開設される予定だ。
 東電の立地協定締結を受け、東電を親会社とするリサイクル燃料貯蔵(RFS)が立地するむつ市、東電の原発工事が中断している東通村からは、県や電力業界に対する不満が噴出している。今月3日にはこの問題で、同村の越善靖夫村長が宮下宗一郎市長と面会。「事業者はしっかり地元にも説明してほしい」と、地元経済の疲弊で苦しい胸中を明かした。
 宮下市長は9日の取材に「青森市への立地自体は素晴らしいこと」としつつ、「電事連仲介の県誘致企業でむつ市内は1カ所のみ。県は立地地域のことを考えているのか、不可解、不愉快でしかない」と語った。
 大手電力の県内進出は“見返り”との見方も根強い。関電のRFSへの出資報道が1月、6月と続き、疑念は深まるばかりだ。
 核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団の山田清彦事務局長は「遠隔地に造るのはおかしい」と指摘。「何が目的かは分からないが、福島第1原発事故で失墜した原子力への信頼を、目に見える形で回復しようとしている」といぶかしんだ。

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