[2023_06_30_04]「原発の発電ゼロでも年4900億円」東電社長は何と答えた?(毎日新聞2023年6月30日)
 
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「原発の発電ゼロでも年4900億円」東電社長は何と答えた?

 「東京電力エナジーパートナー(EP)が赤字となった理由は燃料の高騰だけでは説明できない。原子力の発電がゼロでも維持管理に年間で約4900億円負担する契約があるからだ。この契約をやめれば赤字を解消できるのではないか」
 東京電力ホールディングス(HD)が6月28日、東京都内で開いた株主総会では、停止中の原発の維持管理費用や電気料金引き上げをめぐる議論が相次いだ。冒頭の株主の質問に東電は何と答えたのか。
 東電EPは東電HD傘下で電力を販売する子会社だ。最終赤字となった東電は火力発電の燃料高騰などを理由に、一般家庭に供給する電気の規制料金を6月1日から平均15.9%値上げした。「原発やめれば料金下がる」
 冒頭の株主が質問した年間約4900億円の費用とは、東電EPが負担する原発の維持管理費用や人件費などだ。停止中の柏崎刈羽原発(新潟県)や福島第1、第2原発(福島県)の維持管理費用など4076億円のほか、日本原子力発電に支払う550億円、東北電力に支払う313億円が含まれている。
 東電は原発専業の日本原電と東北電力から原発の電力を購入する契約になっている。ところが、両社の原発はいずれも停止中だ。東電が契約者に販売する原発の電力はゼロにもかかわらず、「東電が年間4900億円負担するのはおかしい。原発をやめれば電気料金は下がるのではないか」というのが株主の指摘だ。
 これに対して、東電EPの長崎桃子社長は「電源購入費用(電力の調達費用)を少しでも下げるために原発は有効で、二酸化炭素(CO2)を排出しない原発は必要と考えている。仮に稼働していなかったとしても、原発を適切に運営するための費用を支払うことで、稼働した場合に電力を調達できる」と答えた。
 国際的な環境保護団体「グリーンピース」は株主として登壇。「CO2削減を原発に頼ることで省エネと再生可能エネルギーの拡大が遅れる。原発は定期点検や事故などで長期停止することが多い。停止中は火力を動かすことになり、温暖化の解決策にならない」と指摘し… (後略)
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