[2021_06_23_02]40年を超える原発「美浜原発3号機」が10年ぶりに再稼働も…4カ月で再び停止予定(関西テレビ2021年6月23日)
 
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40年を超える原発「美浜原発3号機」が10年ぶりに再稼働も…4カ月で再び停止予定

 福井県にある関西電力の美浜原発3号機が10年ぶりに再稼働しました。
 運転開始から40年を超える原発の再稼働は日本初です。
 23日午前10時、関西電力の美浜原発3号機では、制御棒が引き抜かれ原子炉が起動しました。
 国内初となる40年を超える原発の再稼働。
 原発の運転期間は、福島第一原発の事故後、40年を原則としつつ、原子力規制委員会の認可を受ければ例外的に最長で20年延期できると定められています。

【原子力事業本部 近藤佳典 副事業本部長】
 「40年を超えるプラントの初めての起動ということで、そこで安全安心運転の実績を積み重ねることによって、社会の皆様の信頼を賜ることに寄与できる」
 政府が「脱炭素」の目標を掲げる中で、発電時にCO2を排出しないことから再び存在感が高まっている原発。
 関西電力は40年を超える高浜原発1・2号機を含めて3基の原発を稼働させることで、C02の年間排出量を日本全体の0.7%にあたる770万トン減らせ、月75億円のコスト削減を期待できるとしています。

【関西電力 森本孝 社長】
 「カーボンニュートラルといったことを取り組んでいくわけですから、原子力は重要な技術であり、(脱炭素において)役割を果たす電源だと思っております」
 安全対策工事やテロ対策施設の工事に約2700億円かかる見通しとなっている美浜原発3号機。
 しかし、テロ対策施設の工事が設置期限となる10月25日までに間に合わないことから、4カ月で再び停止します。
 専門家は安全面でも経済面でもリスクがあると指摘します。

【龍谷大学 大島堅一 教授】
 「当然ながらトラブル率は上がってきます。クーラーだって冷蔵庫だって電化製品だってあれって止まったりする。止まっちゃったら、また経済性悪くなる。20年間延長が仮にうまくいったとしても発電コストからするとものすごく高い」
 40年超え原発の試金石となる美浜原発3号機の再稼働。
 使用済み核燃料の中間貯蔵施設についても未だ見通しが立っておらず、依然、課題は残されています。
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