[2021_06_26_09]関西電力美浜原発3号機の再稼働に抗議する 危険な老朽原発を動かすことは許されない 関西電力には直ちに原子炉を停止し、再稼働を断念することを求める たんぽぽ舎(たんぽぽ舎2021年6月26日)
 
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関西電力美浜原発3号機の再稼働に抗議する 危険な老朽原発を動かすことは許されない 関西電力には直ちに原子炉を停止し、再稼働を断念することを求める たんぽぽ舎

◎過去に重大事故を起こした美浜原発3号機

 美浜原発3号機は、2004年8月9日15時22分(長崎原爆の日)に発生した事故を忘れることが出来ない。
 二次冷却系の主配管が突然破断し、140度の熱水が噴出、タービン建屋は大気圧だったため一瞬にして蒸発して高温の蒸気が発生、運転中にもかかわらず定期検査直前だったことから、主に下請けの従業員が多数いた建屋内に充満した。
 その結果、死者5名重軽傷者6名という日本の原発史上でも最悪の事故を引き起こした。
 福島第一原発事故は放射性物質を大量にまき散らしたが、幸い多くの人が被曝死したり爆発で死亡する事態にはならなかった。
 そのため原発での直接の死亡事故としては今でも美浜原発3号機の蒸気突出事故が最悪のケースなのである。
 事故の原因もまた信じがたいものだった。
 二次冷却材(復水)が復水器から蒸気発生器(もう少し細かく表現すると第四低圧給水加熱器から脱気器の間)に戻る配管で、水流により徐々に厚みが削られ、ペラペラになっていたのに検査をしなかったために見落としていた。
 ついに8月9日に破断して大量の熱水を吐き出す重大事故を起こした。配管の老朽化による破壊だった。
 その後2006年1月に再稼働しているが、2011年5月14日に運転を停止してから動いていない。再稼働は10年以上停止した後のことになる。
 美浜3号機は1976年12月に営業運転を開始した。運転開始から44年を超えている。このような老朽化原発の再稼働には強く抗議する。

◎延長運転を認めた原子力規制委員会に抗議する

 田中俊一前規制委員長は、20年延長運転は「相当困難」としていた。延長できるとしても、既存の原発の中でも安定して運転を続けられる、比較的新しいものだけが認められるのだろうと誰もが感じた。
 美浜原発3号機は、老朽原発であるだけでなく大規模な配管損傷事故を起こしているだけでなく、古い可燃性ケーブルを使っているなど、問題が余りに多い。
 設計も古く、圧力容器が中性子を浴びて劣化する「照射脆化」など、構造にも問題があるので延長申請をしても許可されない原発であるはずだった。
 しかしそれでも規制委は延長を認めてしまった。強く抗議する。
 そのうえ経産省は、延長運転を認めた原発が稼働したら25億円の特別な交付金をばらまくことまで決めている。
 いわば「金で地元を買収する」行為だ。このような行為を行った経産省にも断固抗議する。
 美浜原発3号機は、地震想定も不十分であることが分かっている。
 「大飯原発裁判の大阪地裁判決の指摘は美浜3号にもそのまま当てはまる。美浜3号で「ばらつき」を考慮すれば、現行基準地震動の最大加速度993ガルは少なくとも1,330ガルに跳ね上がり、原発は地震に耐えられない。」(避難計画を案ずる関西連絡会等の声明文より)
 また、火山の想定にも重大な問題がある。
 「火山灰の層厚見直しにより、美浜原発では層厚は10cmから22cmに上がったが、安全性は保証されていない。
 降灰と積雪が重なれば燃料取替用水タンクが壊れる危険がある。電源車の移動もできない。非常用ディーゼル発電機のフィルタが目詰まりし、全電源喪失の危険もある。」(同上)

◎関西電力は再稼働作業を中止せよ

 このような美浜原発3号機は再稼働させてはいけない原発だ。
 老朽原発の再稼働は、東海第二原発と同様、認めることは出来ない。
 関西電力には直ちに原子炉を停止し、再稼働を断念することを求める。
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