[2020_11_05_01]一本しかない“避難道路”…原発事故が起きた際、安全に避難できるか? 女川町の区長が視察〈宮城〉(仙台放送2020年11月5日) |
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一本しかない「避難道路」安全に避難できるのでしょうか?東北電力女川原発2号機の再稼働の前提となる「地元同意」をめぐり手続きが本格化するなか、立地自治体である女川町の区長たちが、避難道路の視察を行いました。 視察で最初に訪れたのは女川原発の事故発生時に対策拠点となるオフサイトセンターです。原発事故が起きた際、町外に避難する経路が安全かどうか確かめるため企画された今回の視察。 参加者の一人、斉藤俊美さん(82)。原発からおよそ7キロの宮ケ崎地区に住んでいる斉藤さんは、国の定めた避難計画では原発事故が起きた際、この国道398号線を使って町の外へ避難するとなっています。 しかし、女川町から外に出られる避難道路は一本だけ。 女川町宮ケ崎地区 区長 斉藤俊美さん(82) 「やっぱり1本というのはちょっとね…車の事故があって通行止めになってしまうと逃げられないでしょ」 さらに山道では、急カーブが続き渋滞の心配もあるといいます。 女川町宮ケ崎地区 区長 斉藤俊美さん(82) 「震災のときにパニックになったように、われ先にわれ先にと逃げてしまうから、車がぶつかりあいながら逃げる人もいた。やはり避難するには安心できないかな」 原発再稼働への動きが高まりを見せる中、5日、避難道路の視察を行った斉藤さんたち。“不安の声”は他の区長からも…。 別の地区の区長 「避難道の脇に林道があるから災害の時の緊急道路として使えるように、県側でそういう風にしてくれればいいのに」 女川町宮ケ崎地区 区長 斉藤俊美さん(82) 「避難道路はみんなで逃げるから、渋滞もいいところだよね」 きょうの視察で改めて避難の実効性に不安を抱いた斉藤さん。 女川町宮ケ崎地区 区長 斉藤俊美さん(82) 「100%賛成とは言えない。今の問題を考えてみた場合、もっと有事の際に住民が心配しないような整備をしてもらいたいと思いますね」 原発再稼働をめぐっては女川・石巻・県の議会がそれぞれ再稼働に「容認」の意思を示し、再稼働への動きが加速しています。 斉藤さんは、再稼働への議論は「尽くされていない」と訴えます。 女川町宮ケ崎地区 区長 斉藤俊美さん(82) Q.再稼働の判断の議論は尽くされたと思うか 「いや、まだじゃないですか。住民が理解してからの問題。理解できなければ誰も良しとも悪いとも言えない。区民とすれば、まだ時間は必要だなと」 行政の最大の使命は住民の命と財産を守ること。 最終的な判断を下す村井知事は、11月9日月曜日、市町村長と議論をした上で年内にも判断する見通しです。 仙台放送 |
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