[2021_02_25_08]2/13福島県沖地震で女川町の「震度4」は本当か 同じ5km圏の隣町で震度が二段階も違うのでは 原子力防災対策として看過できない 上岡直見〔環境経済研究所代表〕(たんぽぽ舎2021年2月25日)
 
参照元
2/13福島県沖地震で女川町の「震度4」は本当か 同じ5km圏の隣町で震度が二段階も違うのでは 原子力防災対策として看過できない 上岡直見〔環境経済研究所代表〕

◎ 今回の福島県沖地震で非常に不可解な点がある。
 それは東北電力女川原発の5km圏である石巻市が震度6弱で、宮城県内でも石巻市より震源から遠い登米市でも震度6弱なのに、目の前の女川町では二段階も低い震度4という結果である。
 女川町は原発マネーの関係もあって「平成の合併」を選択しなかったこともあり、女川町の周囲を石巻市が取り囲む奇妙な形状になっている。

◎ 「原子力災害対策指針」では、原発所在市町村において震度6弱以上が観測された場合には、原子炉の稼働の有無を問わず「警戒事態」に該当し、ただちに放射性物質の放出はないが、避難要支援者の避難準備にかかることになっている。
 しかし「所在市町村」である女川町では震度4なので警戒事態には該当しない。もともと原子力災害対策指針の制定時は「所在都道府県で震度6弱」という基準があったのに2017年7月の指針改定で判定の範囲が市町村に縮小されてしまったため、今回の条件では該当しないことになる。

◎ 同じ振動エネルギーでも地盤の状態によって震度の測定値が違うことはありうるが、それにしても同じ5km圏の隣町で震度が二段階も違うのでは原子力防災対策として看過できない問題だし、おりしも東電福島第一原発で「地震計が故障したまま放置」という不祥事が発覚したこともあり、何か意図的な背景があるのかも気になる。
KEY_WORD:FUKUSHIMA2021_:FUKU1_:ONAGAWA_: