[2021_07_30_06]宮城・女川原発の「経済性」は 2021年に震度5強以上3回 再稼働していたら自動停止のリスク(KHB東日本放送2021年7月30日)
 
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宮城・女川原発の「経済性」は 2021年に震度5強以上3回 再稼働していたら自動停止のリスク

 原発の経済性についてです。2021年前半に相次いだ地震で、宮城県の女川原発では自動停止の基準を上回る揺れが3度、観測されました。原発は安全対策などのためコストが増加し続けていますが、仮に自動停止が相次げば経済性はさらに悪化することも考えられます。
 県内では2021年、2月、3月、5月に最大震度5強以上の地震が相次ぎました。運転中の原発は安全のため、一定以上の揺れを観測すると自動停止する仕組みになっています。女川原発の場合は縦方向で100ガル以上などと定められていて、1号機の計測で3回とも基準を上回る揺れを観測していました。
 女川原発は震災以降、停止中ですが、再稼働していれば安全確認などに時間を要し、なかなか稼働できずに経済性が悪化することも考えられます。
 また、政府の地震調査研究推進本部は3月、東日本大震災の余震域では「今後も震災前より地震が多い状態が当分の間続くと考えられる」との見解を発表しています。こうした点について30日の定例記者会見で、東北電力トップは…。
 樋口康二郎社長「稼働率が低下するというある程度のリスクも想定して、メリット計算においては評価している」
 また、原子力はこれまで発電コストが最も安い電源とされてきましたが、経済産業省が先日公表した新たな試算では、その優位性が揺らいでいます。事業用の太陽光のコストは1キロワットアワーあたり8円台前半から11円台後半となる一方、6年前の試算で最安値だった原子力は11円台後半以上。安全対策費用などで1円以上のコストアップです。
 樋口康二郎社長「安全対策工事費が審査の状況によって、上積みというかかかるというのは事実。公表している対策費用の3400億円の前提で行くと、投資は十分回収できる」
 東北電力は30日の会見で、2030年度の二酸化炭素排出量を2013年度に比べ半減する計画を発表していて、そのためには原発の最大限の活用が欠かせないと位置付けています。
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