[2023_06_05_01]トンチンカンな判決だ! 女川原発2号機の運転差し止め訴訟判決は、政府や被告の範疇のことであり、すでに自明になっている「原発は過酷事故を起こす」ということを、今更、住民に立証責任を課す頓珍漢な判決です GX脱炭素電源法が立証してくれているので住民が立証する必要はありません 荒木福則(神奈川県在住)(たんぽぽ2023年6月5日)
 
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トンチンカンな判決だ! 女川原発2号機の運転差し止め訴訟判決は、政府や被告の範疇のことであり、すでに自明になっている「原発は過酷事故を起こす」ということを、今更、住民に立証責任を課す頓珍漢な判決です GX脱炭素電源法が立証してくれているので住民が立証する必要はありません 荒木福則(神奈川県在住)

 
◎ 女川原発2号機運転差し止め訴訟判決が、5月24日に却下されました。
 運転差し止め請求の理由は、避難計画の実効性が無いということです。
 仙台地裁は、原告が避難の前提となる過酷事故が起こることを立証していないという理由で、避難の実効性の有無に立ち入ることなく、差し止め請求を棄却しました。
 しかし、原発が過酷事故を起こすことは、福島第一原発事故を起こし安全神話から覚めて、自明となっています。
 そして、過酷事故の起こる頻度は、どのように原発を利用していくかということ、つまり、国の原子力政策に大きく従属します。
 「可能な限り原発依存度低減」という方針下にあっても、原発が動く限り、原子力災害対策特別措置法で過酷事故を前提として対策が講じられてきました。
 また、エネルギー基本計画は、福島第一原発事故級の事故を2000炉年に1回(50機運転で40年に1回)、想定したもとで、2030年原発比率20から22%か決められています。
 そして、この度、国の責務として原発を推進するという原子力利用の大転換の中で、政府は、原発は過酷事故を起こすことを法律に初めて明文化しました。

◎ 仙台地裁判決から1週間後に国会可決されたGX脱炭素電源法の中で、原子力基本法に原発の基本方針として、その条文を追加しました(注)。
 政府は、福島第一原発のような事故を再び起こし、それでも、原発を止めないで使い切っていくために、過酷事故があると条文として宣言したのです。
 原子炉等規制法と電気事業法を改定し、運転開始後40年を超えた稼働が普通になり、過酷事故の可能性は急激に増大します。

(注)原子力基本法 (基本方針)第2条第3項
 エネルギーとしての原子力利用は、国及び電気事業者が安全神話に陥り、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故を防止することができなかったことを真摯に反省した上で、原子力事故の発生を常に想定し、その防止に最善かつ最大の努力をしなければならないという認識に立って、これを行うものとする。
KEY_WORD:女川_避難計画の実効性争点_差し止め訴訟_:FUKU1_:HIGASHINIHON_:ONAGAWA_: