[2020_01_15_01]火山新知見が出ても関電の高浜・大飯を止めない規制委 毎日新聞が暴く原子力規制委員会の事前・非公開会議の秘密 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その215 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)(たんぽぽ舎2020年1月15日)
 
参照元
火山新知見が出ても関電の高浜・大飯を止めない規制委 毎日新聞が暴く原子力規制委員会の事前・非公開会議の秘密 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その215 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)

◎ 1月13日の毎日新聞トップ記事<規制庁長官が対案指示 関電原発 非公開で「不適合」案排除>をご覧いただきたい。
(https://mainichi.jp/articles/20200112/k00/00m/040/259000c)
<リード文
 原子力規制委員会が非公開の事前会議で、関西電力に求める火山灰対策の重要方針を決めながら議事録を作成しなかった問題で、「議論用メモ」と印字された配布資料に併記された2案のうち1案は、比較検討するために原子力規制庁の安井正也長官(当時)の指示で追加されたものだった。追加案はその後、委員会(公開会議)で正式決定された。毎日新聞が情報公開請求で入手した担当者の電子メールで判明した。【日野行介、田中龍士】>

◎ 規制委が非公開事前会議を開催しながら議事録も作成せず配布資料も隠そうとしたとの1月4日、5日の報道に続いて、毎日新聞は、最終的に採用された再評価命令案(第2案)は当時の安井規制庁長官の指示で追加作成されたもので、当初の第1案が採用された場合、<規制委が基準不適合と判断したことになり、運転停止を求める声が高まる可能性があった>と報じた。

◎ 既視感を感じませんか?
 そう、放射線影響隠しをずっと進めてきている福島県県民健康調査でも、<秘密会で事前に議論を重ねていただけでなく、秘密会の後に行われる検討委員会の議事進行の「シナリオ」まで用意し、さらには議事録の「改ざん」まで行っていた事実が判明した。>(日野行介著「福島原発事故 県民健康管理調査の闇」岩波新書、2013年)。
 放射線による小児甲状腺多発を隠し続ける県民健康調査と同様に、規制委は事前の秘密会議と議事録隠しで「高浜」・「大飯」の原発の運転停止を避けたのだ。
 また、近くは安倍官邸が「桜を見る会」「森友学園」「加計学園」でシュレッダーまで使って同じことを行っている。

◎ なお、安井正也元長官は、資源エネルギー庁時代に次の重要な前科がある。
 1982年に通商産業省(現・経済産業省)に入省、資源エネルギー庁原子力政策課長など、長年、経産省の原子力行政を担当。2004年4月に、核燃料サイクルで生じる使用済み核燃料は全量再処理が国の前提であるのに、再処理をせずそのまま捨てる「直接処分」のコスト試算のデータを隠蔽するよう部下に指示していた。2017年1月〜2019年7月まで規制庁長官、現在原子力規制庁長官官房特別国際交渉官。

◎ それにしても、原子力規制委員会が「特定重大事故等対処施設」をはじめ新知見を踏まえたバックチェックを検討しているが、この一連の毎日新聞記事が、実は電力会社や原子力マフィアたちの顔色を窺って原発稼働を維持するためのいい加減な規制を実施していることを明らかにした。
 賄賂をもらって原子力マネー還流を国税局に指摘されても一年以上隠していた関電トップは全く信用できないのに、関電の原発(大飯、美浜、高浜)に求める火山灰対策を手抜きして高浜・大飯を止めようとしない原子力規制委員会。全くひどい規制行政だ。
KEY_WORD:OOI_:MIHAMA_:TAKAHAMA_: