[2020_08_15_02]共同通信アンケート 高レベル最終処分場受け入れ 本県など23道府県 否定的 法成立20年、選定進まず(東奥日報2020年8月15日)
 
 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の受け入れに関し、本県など23道府県が拒否か否定的な考えであることが14日、共同通信の都道府県アンケートで分かった。前向きな自治体はなかった。処分方法などを定めた特定放射性廃葉物最終処分法が2000年に成立して20年。北海道寿都町が処分場選定に向けた調査に応募を検討しているのが明らかになったものの、選定の困難さが浮き彫りになった。
 アンケートは7月、全都道府県に質問票を送り、回答内容に応じて担当者に追加取材した。処分場受け入れの検討可否を聞いた設問は16県が「拒否する」と回答。本県を含めほとんどは「その他」や「どちらとも言えない」と方針を示さず、東京、京都、大分は無回答。うち自由記述や取材に否定的な考えを示したのは、本県など7道府県だった。
 拒否や否定的だった23道府県中、本県など7道県が原発立地自治体。東京電力柏崎刈羽原発がある新潟は、拒否の理由を「電力供給のため原発を抱え一定の社会的責任を果たしている」と書いた。全国最多の原発が立ち並ぶ福井も「発電は引き受けてきたが、放射性廃棄物の処分は県外で対応すべきだ」と指摘する。
 寿都町への対応が注目される北海道は、核のごみの持ち込みを規制する条例があることで「受け入れ難いことを宣言している」と回答していた。日本原燃の使用済み核燃料再処理工場がある本県は「最終処分地にしない旨、国から確約を得ている」とした。
 過去には高知県東洋町が07年、処分場選定の調査に応募したがすぐに撤回した。その高知は処分場受け入れを「拒否」とし「南海トラフ地震対策という大変な問題を抱え、受け入れる余地はない」と表明した。
 大阪だけが「受け入れの検討があり得る」と回答したが、担当者は「国から要請があった場合に可否の検討は必要だ」との意図を説明した。
 処分適地を示す日本地図「科学的特性マップ」を国が17年に公表したことについては「評価する」と答えたのが10府県にとどまった。「評価しない」が4県で、本県などは明確な評価をしなかった。

 核のごみの最終処分

 原発の使用済み核燃料からブルトニウムなどを取り出す再処理で出た廃液が高レベル放射性廃棄物で「核のごみ」と呼ばれる。国の方針では、ガラスで固めて管理や保管に通した状態にし、地下300メートルより深い岩盤に埋設、数万年後まで閉じ込める。処分場候補の自治体が決まれば文献調査、概要調査、精密調査と合計20年ほどかけて地震リスクや地盤などを調べ、建設の可否を判断する。法律によると、国が概要調査の手続きに進む際には、知事と市町村長の意見を聞き、十分に尊重しなければならない。
KEY_WORD:ROK_HIGH_:KASHIWA_:ROKKA_:最終処分場_:寿都町_調査応募検討_: