[2015_11_05_01]ウラン工場 放射性廃棄物を不適切保管 違反8年間見過ごす 規制庁「認識不足を反省」 (東奥日報2015年11月5日)
 
 日本原燃が六ヶ所村のウラン濃縮工場で放射性廃棄物を不適切に保管していた問題で、原子力規制庁の検査報告を受けた原子力規制委員会は4日、保安規定違反に当たると正式決定した。一方、規制庁は以前から保管実態を把握していたものの、違反と気付かず8年間にわたり見過ごしていたことを明らかにし「私どもの認識不足だった。反省している」と釈明した。
 規制庁によると、廃葉物はウランなどが入っていた容器を洗浄して発生した汚泥。保安規定で定められた廃棄物室ではなく、機器を点検するための保修室に保管していた。原燃はドラム缶に入れた廃棄物が一定量に達するまで、別室に仮置きする社内ルールを設けていたという。
 不適切保管は2007年8月から15年8月まで行われた。規制庁は前身の旧原子力安全・保安院時代から3カ月ごとの保安検査などを通じて保管実態を確認していた。
 4日に県庁で会見した規制庁の小林勝・地域原子力規制総括調整官は「(原燃が)慣例的にやっていたことは知っていたが、保安規定に触れるかどうか、検査官の認識が不足していた」と説明。今年8月に実施した保安検査について規制庁内で協議した際、「(保安規定を)厳格に運用し、違反とするベきだ」との判断に至ったという。
 一方、原燃は8月検査時の指摘を受け、不適切保管を改善したという。原燃報道部は「今回の違反判定をしっかりと受け止め、再発防止に努める」とした。
     (阿部泰起)
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