[2017_09_13_03]ウラン濃縮工場 生産運転一時停止 安全不十分の指摘受け(東奥日報2017年9月13日)
 
 日本原燃は12日、六ケ所ウラン濃縮工場の生産運転を一時停止したと発表した。停止はウラン濃度を高める「遠心分離機」の更新工事を行った2010年12月以来、2回目。今回は新型遠心機への更新や新規制基準に適合するための安全性向上工事に加え、原子力規制庁から「不十分」を指摘された安全対策の改善を図るため。
 原燃によると、12日午後2時に同工場の生産運転を停止。遠心機から核燃料物質の回収を始めた。全て取り出すには20日間ほどかかるという。停止期間は「設備の安全対策が終了するまで」(原燃)と明示しなかった。
 停止に先立ち、原燃は県と六ヶ所村に安全協定に基づく運転計画の変更届を提出した。提出を受け、県原子力安全対策課の安田浩課長は、品質保証体制の是正や機器の保守点検方法見直しなどに早急に取り組むよう、原燃担当者に要請した。六ヶ所村の戸田衛村長は「引き続き、村に対して迅速で的確な情報提供をしてほしい」と述べた。
 同工場を巡っては、放射性廃棄物の不適切保管や非常用ディーゼル発電機制御盤からの出火、排気ダクトのさび・損傷など保守管理の問題が相次ぐ。規制庁幹部は取材に対し「濃縮工場は健全かという問い掛けに対し、原燃からいまだに答えがない。核燃料を取り出し安全を確保した上で、原燃は工場の点検を徹底してほしい」と語った。
 原燃報道部は「安全を最優先に改善に取り組んでまいりたい」とした。再稼働する原発基数が少ないため、同工場では12年6月以降、製品ウランを出荷しておらず、今回の停止により核燃料が不足するなどの影響はないという。(阿部泰起、加藤景子)
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