[2021_04_30_04]九州電力、2年ぶり黒字転換 首都圏で電力販売増 21年3月期(毎日新聞2021年4月30日)
 
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九州電力、2年ぶり黒字転換 首都圏で電力販売増 21年3月期

 九州電力が30日発表した2021年3月期連結決算は、売上高が前期比5・9%増の2兆1317億円、最終(当期)利益は321億円で、前期の4億円の赤字から2年ぶりに黒字転換した。首都圏での電力販売量の増加などが寄与した。
 グループ全体の電力総販売量は6・3%増の858億キロワット時。新型コロナウイルスの感染拡大による法人需要の減少で九電単体の販売量は伸び悩んだものの、首都圏などで電力を販売する子会社の販売量が約2倍の約58億キロワット時に伸びたことが貢献した。
 さらに減価償却費の計上方法を変更して、川内原発1、2号機(鹿児島県)のテロ対策特別施設建設にかかる費用などの計上を22年3月期以降に繰り延べた結果、経常利益ベースで530億円の押し上げ要因となった。この結果、川内1、2号機の停止による影響(利益押し下げ額200億円)や、年明けの卸電力取引所の価格高騰による影響(同260億円)を打ち消し、黒字を確保した。
 22年3月期は、会計方法の変更で再エネ特措法交付金などを計上しなくなる結果、売上高は1兆5100億円に減少する見込み。新型コロナの影響緩和と、川内原発が年間通じて稼働することから、最終利益は450億円を見込んでいる。
 また、九電は30日、薬真寺偉臣(やくしんじ・ひでおみ)副社長が退任し、社外取締役に安川電機の津田純嗣(じゅんじ)会長が就任する人事を発表した。6月下旬の定時株主総会などで正式決定する。【高橋慶浩】
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