[2022_10_06_02]原発運転60年規定削除へ 規制委が転換 「40年」近づく鹿児島・川内原発、「福島の教訓忘れたのか」県内の市民団体反発(南日本新聞2022年10月6日)
 
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原発運転60年規定削除へ 規制委が転換 「40年」近づく鹿児島・川内原発、「福島の教訓忘れたのか」県内の市民団体反発

 原子力規制委員会の山中伸介委員長は5日の記者会見で、原発の運転期間を原則40年、最長60年とするルールが削除される見通しを示した。電力の安定供給や脱炭素促進などに向け、原発を最大限活用する岸田政権の方針に沿う対応。運転開始から40年が近づく九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の稼働延長に反対する県内の市民団体は一様に驚き、「フクシマの教訓を忘れたのか」と反発した。
 原則40年のルールは2011年の東京電力福島第1原発事故の反省を踏まえて定められた。「事故から学んでいない。信じられない」。川内原発建設反対連絡協議会の鳥原良子会長は憤る。電力の安定供給や脱炭素の促進といった政府方針に沿う規制委の対応に「事故前に戻ってしまう。住民の生命を軽視している」と語気を強めた。
 「ストップ川内原発! 3.11鹿児島実行委員会」の向原祥隆共同代表は「規制委が政府の追認機関になったようなものだ。何のために存在しているのか」と怒りをあらわに。「高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の処分など課題が山積する中で、なぜ原発の稼働を続けるのか」と批判した。
 川内原発1、2号機は2024年7月と25年11月に原則40年の期限を迎える。九電が規制委に運転延長を申請するのは確実とみられ、申請に必要な特別点検を実施中。同社は40年ルールの削除見通しについて、取材に「これから国において議論されていくと考えており、注視する」と答えた。
 川内1、2号機の運転延長を検証する原子力専門委員会分科会を設置した県は「詳細を把握しておらずコメントできない。仮に制度の変更がある場合は国から説明があると理解している。現時点では、現行制度を前提に検証を進めていく」とした。
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