[2015_05_14_01]志賀原発に活断層か 規制委調査団「否定できない」(東奥日報2015年5月14日)
 
 北陸電力志賀原発(石川県)の敷地内断層について、原子力規制委員会の有識者調査団は13日の会合で「活動性を否定できない」として、地盤をずらす可能性のある断層(活断層)の疑いを指摘する意見書を公表した。1号機建設時に作成された断層の調査図面の分析などから有識者4人全員の見解が一致した。
 原発の新規制基準では地盤をずらす断層上に原子炉建屋など重要施設の設置を禁じており、規制委が最終的に断層の活動性を認めれば1号機は廃炉となる可能性が高い。
 また規制委は昨年8月に北陸電から申請のあった2号機の新基準に基づく審査を保留しており、有識者の評価を「重要な知見」として、あらためて審査する。審査で断層の活動性が認定されると、現状では2号機の再稼働は困難となる。
 担当の石渡明委員は「次回の会合で評価書案を確定させたい」と述べた。原発敷地内の断層をめぐっては日本原子力発電敦賀原発(福井県)など6原発で調査が行われ志賀を含む5原発で評価の方向性が示された。
 活動性を疑われているのは、1号機の原子炉建屋直下を走る「S−1断層」と、1号機と2号機のタービン建屋直下を走る「S−2、6断層」。北陸電によると、S−2、6断層は2号機原子炉建屋直下を走ってはいないが、原子炉周辺機器の冷却に用いる重要な配管を横切っている。審査でも活動性を認められれば、配管の改造など困難な対応を求められる可能性がある。
 北陸電の追加調査では、断層の活動性を示す明確な証拠は得られなかったが、有識者調査団は1号機建設時に作成されたS−1調査図面から活動性が読み取れるとの見解でまとまった。
 信州大の広内大助・教授は「S−6、Sー1ともに活断層であることを否定できない」と指摘。産業技術総合研究所の重松紀生主任研究員は「S−2、6の活動による影響でS−1の一部が動いた」とし、東京学芸大の藤本光一郎准教授は「(活動性の目安となる)後期更新世以降に活動した可能性は否定できない」とコメントした。
 また、産総研の吉岡敏和・上級主任研究員もS−1について「断層運動以外では説明しにくい」とした。
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