[2023_04_25_03]40年超運転の高浜原発1、2号機 再稼働時期が遅れる見通し 火災防護対策の指摘受け追加工事(福井新聞2023年4月25日)
 
参照元
40年超運転の高浜原発1、2号機 再稼働時期が遅れる見通し 火災防護対策の指摘受け追加工事

 運転開始から40年を超える福井県高浜町の関西電力高浜原発1、2号機(ともに加圧水型軽水炉、出力82・6万キロワット)の再稼働時期について、関電が計画する6、7月から遅れる見通しであることが4月24日、関係者への取材で分かった。原子力規制委員会の会合で2基の火災防護対策が不十分との指摘を受け、追加工事が必要となったため。規制庁が現地で対策内容を確認する使用前検査にも時間を要するとみられる。
 高浜1、2号機は2016年、「原則40年、最長60年」と定められた現行ルール下で、40年超運転の審査に全国で初めて合格。21年に高浜町と福井県が再稼働に同意したが、テロ対策の「特定重大事故等対処施設(特重施設)」の整備に時間を要していた。特重施設の運用開始後、1号機は6月上旬、2号機は7月中旬にそれぞれ12年ぶりに再稼働する計画だった。
 規制庁が昨年4〜6月に美浜3号機を対象に行った原子力規制検査で、非常時に原子炉を冷却する補助給水ポンプ関連の火災防護対策に不備が見つかり、検査指摘事項に当たると判断された。その後高浜1、2号機でも、非常時に原子炉を安全に停止させる機器のケーブルを収納する電線管の火災防護対策が不十分だと検査官が現場確認し、3月29日の規制委会合で報告した。
 これを受け関電は高浜1、2号機の対応について「再稼働までに是正処置を実施する」とし、3月31日に工事計画と保安規定の変更認可を規制委に申請していた。関電によると、電線管を耐火シートで覆うなどの追加の対策工事を行うとしている。
 工事計画の変更が認可され、追加工事が完了しても、規制庁の使用前検査で現場確認を終えなければ、燃料の装荷や原子炉容器の組み立て、1次系の漏えい検査など原子炉起動に向けた作業に入れない。21年に40年超運転で初めて再稼働した美浜3号機は、燃料装荷から原子炉起動まで1カ月以上掛かっており、高浜1、2号機の再稼働スケジュールが後ろ倒しになる可能性が高い。
 関電は24日、福井新聞の取材に対し、工程への影響について「現時点で再稼働時期の変更はない」としながらも「今後の規制委による審査や検査の状況を踏まえ、変更となる場合は公表する」としている。
 高浜1号機は運転開始から48年、2号機は47年が経過している。
KEY_WORD:TAKAHAMA_:MIHAMA_: