[2023_06_13_03]高浜原発MOX、仏で再処理へ 関電「中間貯蔵と同等の意義」(中日新聞2023年6月13日)
 
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高浜原発MOX、仏で再処理へ 関電「中間貯蔵と同等の意義」

 電気事業連合会は十二日、プルサーマルを実施中の関西電力高浜原発(高浜町)で発生した使用済みプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を、実証研究としてフランスで再処理すると発表した。関電の森望社長は同日、県庁を訪れ、フランスへの搬出を「中間貯蔵と同等の意義がある」と杉本達治知事に説明した。

 知事「精査へ」評価避ける

 県内の原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設を巡り、県外候補地を県に提示する約束の期限まで残り半年余り。森望社長は「約束を果たした」と強調したが、杉本知事は「国の考えや立地市町、県議会の意見も聞いて総合的に判断したい」として評価を避けた。
 使用済み核燃料は仏オラノ社に搬出される。森社長は三〇年ごろに二千トンの中間貯蔵の規模を適切なものに見直す方針も説明し「発電所の将来の安定運転に必要な搬出容量確保のため最大限取り組む」と述べた。
 使用済み核燃料のフランス搬出は中間貯蔵と無関係の実証研究の一環で、搬出される計約二百トンは高浜原発にある使用済み核燃料の15%程度にすぎない。県内原発の管理容量に占める使用済み核燃料貯蔵率は約八割に達し、五〜七年後には満杯になる見通し。中間貯蔵の問題解決のめどが立ったとは言えない。
 面談後、杉本知事はこうした点を報道陣に問われ「十分に精査し総合的に判断したい」と繰り返した。県の判断を関電に伝える時期は明確にせず、「立地自治体などに速やかに(意見を)確認する。県議会でも議論すると認識している」と話すにとどめた。
 中間貯蔵施設の県外立地問題は一九九七(平成九)年から県が関電に求めたことに端を発し、関電は繰り返し約束の期限を変更してきた。二一年二月には、確定できない場合は美浜3号機(美浜町)、高浜1、2号機の運転をしない方針を県に示していた。
 森社長は「国内の搬出先が見つけられなかったのか」との質問に「引き続きあらゆる可能性を追求し続けることに変わりはない」と回答。三基の運転に関しては「県の判断になる」と語った。(佐久間博康、水野志保、玉田能成、曽根智貴)
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