[2023_11_02_02]高浜原発1号機、国内初の50年超運転へ申請 関西電力が福井県に報告「プラント健全維持、確認した」(福井新聞2023年11月2日)
 
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高浜原発1号機、国内初の50年超運転へ申請 関西電力が福井県に報告「プラント健全維持、確認した」

 午後6時40分
 関西電力は11月2日、運転開始から48年が経過する高浜原発1号機(加圧水型軽水炉、出力82・6万キロワット)の国内初となる50年超運転に向け、安全上重要な設備の今後10年間に必要な保全対策を盛り込んだ保安規定の変更認可を原子力規制委員会に申請した。関電の高畠勇人原子力事業本部長代理が同日、福井県庁を訪れ「運転開始から50年以降もプラントを健全に維持できることを確認した」と坂本裕一郎防災安全部長に報告した。
 高浜1号機は1974年11月14日に運転開始し、現存する国内原発の中で最も古い。規制委は2016年、2号機を含めた2基の国内初となる40年超運転を認可し、60年までの運転延長を認めた。今回の申請は現行の原子炉等規制法に基づくもので、運転開始50年を迎える24年11月までに、今後10年間に実施すべき保全対策を盛り込んだ「長期施設管理方針」を策定し、保安規定に反映することが義務づけられている。
 関電は原子炉容器など安全上重要な約4千の機器や構造物の劣化の進展を予測し、安全性を確認した高経年化技術評価書を作成。長期施設管理方針に、炉内構造物を評価書に基づき取り換えることや、原子炉容器の粘り強さが中性子線を長年浴びて低下する「中性子照射脆化(ぜいか)」の第6回監視試験を行うことを明記した。
 高畠本部長代理は面談で「規制委の審査過程でさまざまな指摘を受けると思うが、その一つ一つにしっかりと対応していきたい」と強調。坂本部長は50年超運転について「県民には不安もある。どう安全を確保していくのか、県民に丁寧な説明をお願いする」と求め、6日に開く県原子力安全専門委員会で今回の申請内容などを確認するとした。
 5月に成立した原発の60年超運転を可能にする「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法」に合わせ規制委は、事業者が運転開始30年を超えて運転する場合、最長10年ごとに設備の劣化に関する技術的評価と管理計画を認可する新たな審査制度を導入した。25年6月に施行されるため、高浜1号機は改めて新制度に基づく50年超運転の申請、認可が必要となる。
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