【記事84730】[2019/6/20 11:07]新潟地震の割れ残りか 卜部新大教授、特徴を指摘(新潟日報2019年6月20日)
 
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[2019/6/20 11:07]新潟地震の割れ残りか 卜部新大教授、特徴を指摘

 政府の地震調査委員会が、1964年の新潟地震の震源域に隣接した場所で発生しているとの見解を示した新潟・山形地震。一方、建物被害や津波の影響は、今回少なくすんだ。新潟大災害・復興科学研究所の卜部厚志教授(53)=地質学=は「揺れの周期が短く、建物の倒壊などに結びつかなかったのではないか」と分析する。
 卜部教授は新潟・山形地震について「新潟地震の余震域の中の割れ残りの可能性がある」とした上で、「新潟地震と比べ、断層の破壊領域が小さく、津波や揺れも小さくなった」と特徴を指摘する。
 新潟地震は地震の規模を示すマグニチュード(M)が7・5だったが、今回は6・7。村上市の府屋地区で震度6強を観測した理由は、「震源から極めて近いために大きく揺れた。ほぼ狙い撃ちのような形になった」とした。
 ただ、揺れは強かったものの、建物が全壊するなどの大きな被害は確認されていない。卜部教授は中越地震や中越沖地震と比べ、今回は「揺れの周期が短かった」とする。
 建物被害は震度の大きさ以上に、揺れが1往復する時間の長短に左右される。周期が長ければゆっくり揺れ、短ければ小刻みに揺れる。今回は、建物被害を及ぼすような周期の揺れが少なかった可能性に言及した。
 また、村上市周辺の海岸沿いの地域は、固い岩盤層が直下にあり、平野部と比べて安定した地盤であることも理由に挙げた。
 村上市から離れた長岡市や柏崎市などで震度5弱を観測した背景は「周辺の地盤の関係ではないか」と述べた。
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