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○初めに
2021年3月20日に宮城県沖で地震が発生しました。マグニチュードは6.9、最大震度は5強でした。牡鹿(おしか)半島近傍で発生した地震ですので、以降は牡鹿半島沖地震と呼ぶこととします。この地震に関する記事一覧を コチラ に作成しました。地震当日に報道等をチェックできなかった方は参考にしてください。 牡鹿半島沖地震のおよそ1か月前の2月13日にも、福島県沖で地震がありました(関連記事の一覧は コチラ )。2月の地震と牡鹿半島沖地震の震央の位置関係と女川原発の位置を示した地図を上に示しました。 初めて、テレビ画面で女川原発と今回3月の地震の震央の位置関係を見た時は驚きました。画面でみると本当に目と鼻の先です。なおかつ、地震発生当初はマグニチュードは7.1(その後6.9に修正)でしたから、なおさらです。女川原発の再稼働をこのまま進めてはいけないという危機感を強くしました。 そこで、以下に女川原発と地震に関連した記事一覧を作成しましたので、よろしかったらご覧ください。 ○記事へのコメント (1)1978年6月12日 宮城県沖地震(M7.4、震度5)発生 (2)1984年6月1日女川原発1号機運転開始 女川原発のすぐ目の前の海域で起きた地震がありながら、その6年後に運転を開始するという国と東北電力。このような危険な場所に立地させるのは無謀だという意見があったはずだが、それを押し切った形での運転開始は、現在の視点にたっても、改めて無謀だったといわざるを得ない。 (3)1993年11月27日 宮城県北部地震(M5.8)発生 女川1号機 「中性子束高高」の信号が発信し,原子炉が自動停止 内陸で起きたM5.8という小さな地震でありながら、想定外の核反応が進み、自動停止にいたった事故だ。これは、地震が起きて2年後に原因がわかったというお粗末な経緯だった。記事の中で、桜井淳氏が述べているように「地震国、日本ならではの問題であり、このような原子炉の反応は設計時には考慮されていなかったはずだ。原発にはまだまだ未解明な部分があると言わざるを得ない」というように、地震国で、原発を推進することは、地震にさらして、実験しているようなものだともいえる。 (4)2003年5月26日 宮城県沖地震(M7.1、震度6)発生 女川3号機が地震加速度大信号により原子炉自動停止 (5)2005年8月16日 宮城県沖地震(M7.2、震度6弱)発生 女川1・2・3号機が地震加速度大信号により原子炉自動停止 地震加速度が想定値を超えていた。 2年間の間に地震による二度の自動停止、そして2005年には地震加速度が想定値を超えていた。 (6)2011年3月11日 東日本大震災(M9.0)発生 女川原発1・2・3号機 地震加速度大信号により原子炉自動停止 地震動の加速度想定値超える (7)2011年4月7日 宮城県沖でM7.1、震度6強の地震発生 女川原発1・2・3号機は停止中だが地震動の想定値を超えていた 東日本大震災とその余震で、地震動の加速度想定値超えていた。 (9)2017年1月17日 2号機にひび1130カ所 規制委、調査へ 東北電力は17日の原子力規制委員会の安全審査会合で、審査中の女川原発2号機(宮城県)の原子炉建屋の壁(鉄筋コンクリート製)1137カ所に、ひびやはがれがあることを明らかにした。東日本大震災やその余震などが原因とみられる。 東日本大震災から約6年経過して、多数のひびを発表という東北電力の隠ぺい体質はひどいのはもちろんだが、地震でこれほどのひび出ているのに、補修や補強で大丈夫だという態度が信じがたい。 (10)2021年2月13日 福島県沖地震(M7.3)発生 最大震度6強 これは重大な問題である。震度4で壊れてしまった原発が本当に想定しなければならない地震は震度7、宮城県沖の地震と太平洋のプレート境界地震だ。今回の地震エネルギーの何千倍もの威力があるうえ、原発の真下で起きるかも知れない。遙かに巨大な上下動と、もっともっと長い震動継続時間は原発に致命的な打撃を与える。(山崎久隆氏) まさに山崎さんの言う通り、そして、この一か月の地震では、女川原発のほぼ真下ということとなってしまった。 (11)2021年3月20日 牡鹿半島沖で地震(M6.9)発生 最大震度5強 20日、宮城県で最大震度5強を観測した地震で、東北電力女川原子力発電所3号機の核燃料を保管するプールに小さな金属片が落下していたことが分かりました。 女川原発のほぼ真下で、M6.9の地震が発生、そして、地震調査委員会は3月22日の 記者会見 で、この地震の震源は1987年の宮城沖地震(M7.4)と西側にあたるということで、東日本大震災では、起きなかった想定宮城県沖地震が今後起こる可能性を示唆した。 ○まとめ 女川原発は地震による自動停止が4回、地震動の想定値を超えていたのが3回ありました。女川原発は、恐らく、日本の原発の中で、最も地震によるダメージを受けている原発であると思います。東日本大震災のM8級の余震発生も否定しきれないことであるし、再稼働はとんでもない、廃炉にするしかないと考えます。 |
●記事一覧(女川原発の地震関連記事) |
(1)1978年6月12日 宮城県沖地震(M7.4、震度5)発生
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(2)1984年6月1日女川原発1号機運転開始
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(3)1993年11月27日 宮城県北部地震(M5.8)発生
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女川1号機 「中性子束高高」の信号が発信し,原子炉が自動停止
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女川原発1号機 地震で出力急上昇 93年11月の自動停止 燃料体揺れ核反応進む | 毎日新聞 | 1995/08/20 |
(4)2003年5月26日 宮城県沖地震(M7.1)発生
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女川3号機が地震加速度大信号により原子炉自動停止
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東北地方で震度6の地震が発生し、宮城県の女川原発が緊急停止 | スト浜岡 | 2003/05/31 |
(5)2005年8月16日 宮城県沖地震(M7.2、震度6弱)発生
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女川1・2・3号機が地震加速度大信号により原子炉自動停止 地震加速度が想定値を超えていた
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宮城で震度6弱 東北一円 けが人多数 M7.2 プール天上落下 東京震度4 震源は牡鹿半島沖 | 朝日新聞 | 2005/08/16 |
女川原発、想定超える揺れ測定 | 河北新報 | 2005/08/17 |
(6)2011年3月11日 東日本大震災(M9.0)発生
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女川原発1・2・3号機 地震加速度大信号により原子炉自動停止 地震動の加速度想定値超える
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「3.原子炉建屋観測用地震計の最大加速度値」を抜粋 | 東北電力 | 2011/04/07 |
(7)2011年4月7日 宮城県沖でM7.1、震度6強の地震発生
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女川原発1・2・3号機は停止中だが地震動の想定値を超えていた
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女川原発 余震でも想定超す揺れ 保安院 「耐震性など影響分析」 | 中日新聞 | 2011/04/14 |
基準地震動Ssに対する最大応答加速度値の比較を抜粋 | 東北電力 | 2011/04/25 |
(8)東北電力女川原発 揺れ想定引き上げ
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女川原発で想定する最大の揺れの強さ(基準地震動)を、これまでの580ガルから約1000ガルへ引き上げると発表
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東北電力女川原発 揺れ想定引き上げ | 東奥日報 | 2013/11/29 |
(9)<女川原発>2号機にひび1130カ所 規制委、調査へ
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東北電力は17日の原子力規制委員会の安全審査会合で、審査中の女川原発2号機(宮城県)の原子炉建屋の壁(鉄筋コンクリート製)1137カ所に、ひびやはがれがあることを明らかにした。東日本大震災やその余震などが原因とみられる。
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<女川原発>2号機にひび1130カ所 規制委、調査へ | 毎日新聞 | 2017/01/17 |
(10)2021年2月13日 福島県沖地震(M7.3)発生 最大震度6強
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13日午後11時7分ごろ、宮城県南部、福島県の中通りと浜通りで震度6強の地震があった。両県の消防によると、30人超が負傷した。集合住宅での火災や落石、電線の断線といった情報も相次ぎ(後略)
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宮城、福島で震度6強 福島沖M7・1、津波なし | 河北新報 | 2021/02/14 |
震央から約82km離れた女川原発は、震央からの直線距離は約100km、震央距離約74kmの福島第一よりも遠い。それなのにこれだけ多くの問題発生とは、いったいどんな原発なのか。
これは重大な問題である。震度4で壊れてしまった原発が本当に想定しなければならない地震は震度7、宮城県沖の地震と太平洋のプレート境界地震だ。今回の地震エネルギーの何千倍もの威力があるうえ、原発の真下で起きるかも知れない。遙かに巨大な上下動と、もっともっと長い震動継続時間は原発に致命的な打撃を与える。 |
東日本大震災の余震とされる地震 震度4の女川市(宮城県)で問題発生 山崎久隆 | たんぽぽ | 2021/02/15 |
(11)2021年3月20日 牡鹿半島沖で地震(M6.9)発生 最大震度5強
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20日、宮城県で最大震度5強を観測した地震で、東北電力女川原子力発電所3号機の核燃料を保管するプールに小さな金属片が落下していたことが分かりました。
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宮城 震度5強 女川原発のプールに落下物 | TBS | 2021/03/21 |
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