[2020_12_05_01]<大飯原発訴訟判決>佐賀の原告団「判決への影響は大きい」(佐賀新聞Live2020年12月5日)
 
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<大飯原発訴訟判決>佐賀の原告団「判決への影響は大きい」

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の設置許可を取り消した4日の大阪地裁判決。佐賀地裁でも同じ争点で九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)の原子炉設置変更許可取り消しなどを求める原告団は、来年3月に言い渡される判決を見据え「判断に与える影響は大きい」と期待を込めた。
 「同じ争点で戦った仲間の勝訴。心の底からうれしい」。玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会代表で原告団長の石丸初美さん(69)は声を弾ませた。佐賀地裁の判決は来年3月12日に言い渡される予定で「佐賀の裁判長は人権を守るべき立場。今日の判決を重く受け止めるべき」と強調した。
 佐賀地裁で原告側は、耐震設計の目安になる地震の揺れ「基準地震動」や地震規模の「ばらつき」が最大の争点で、「過小評価され、現実に起こり得る地震への安全性が保障されない」などと主張してきた。
 大阪地裁が判決で「原子力規制委員会の判断に看過しがたい過誤、欠落がある」としたことで、佐賀地裁判決にも影響が出る可能性がある。大阪地裁の原告側弁護団の冠木(かぶき)克彦弁護団長ら複数の弁護士は、石丸さんらが争う裁判の弁護団でもある。
 大阪地裁の判決について九電は「当事者ではないためコメントする立場ではない」とし「係属中の訴訟については、裁判所の訴訟指揮に従い、主張を十分に尽くした。原発の安全性などについて理解いただけるように引き続き真摯しんしに対応していく」とコメントした。
 佐賀県の山口祥義知事は記者団に「司法判断の一つだ。玄海原発でもいろいろ(トラブルが)出ているので、そうしたところも含めてしっかり注視していきたい」と話した。玄海町の脇山伸太郎町長は「大飯原発の状況を調べ、玄海原発では問題がないかチェックしてほしい」と九電に求めた。(小部亮介、栗林賢、中村健人、松岡蒼大)
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