[2020_12_01_04]福島第1原発の汚染水1日130トンに抑制 東電、目標達成確実に(河北新報2020年12月1日)
 
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福島第1原発の汚染水1日130トンに抑制 東電、目標達成確実に

 東京電力福島第1原発で増え続ける汚染水について、2020年は11月までの発生量が1日平均130トンで推移し、20年内に1日150トン程度に抑制する目標の達成がほぼ確実となったことが30日、分かった。政府は浄化処理した水の処分方法を検討しており、今後の判断に影響する可能性がある。
 東電の作成資料によると、1日当たりの汚染水発生量は490トンだった15年度以降年々減少し、18年度は170トン。台風19号が通過した19年度は180トンと増加に転じたが、20年1〜11月は130トンだった。
 冬場は1年で最も少雨となる傾向があり、関係者は「よほど記録的な大雨に見舞われない限り、目標達成は確実」と見込む。
 政府は17年9月改定の中長期ロードマップ(工程表)に「20年内に1日150トン程度に抑制する」と明記。原子炉建屋への雨水流入対策などを強化し、目標を上回る成果を得た。
 東電は「20年は降雨が非常に少ない」と説明し、処理水の保管タンクが満杯を迎える時期の見直しに消極姿勢を取る。しかし実際には20年1月1日〜11月22日の第1原発での降水量は1327ミリと、年間平均1360ミリだった15〜19年度とほぼ同量かやや上回る見込みであるという。
 東電は第1原発敷地内の保管タンクが22年9月ごろに満杯となり、処分方法の決定から実行までは2年程度かかると説明。政府がこの試算を念頭に海洋放出などの処分方法の最終調整を進めているのに対し、地元からは「議論が不十分だ」との指摘が出ている。
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