[2020_10_23_03]小委員会委員 処理水放出手続きに疑問の声(福島県)(テレビユー福島2020年10月23日)
 
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小委員会委員 処理水放出手続きに疑問の声(福島県)

 福島第一原発の処理水放出問題について、政府の小委員会の委員からも様々な声が上がっています。地元の合意形成が十分でないまま、放出に向けた手続きが進んでいくことに委員は「これで本当に決めていいのか」と疑問を呈しています。処理水の処分方法について「海か大気中に放出する案が現実的」とする報告書をまとめた政府の小委員会。その一方で報告書は、関係者の意見を丁寧に聞くことや、風評対策も決めるよう求めています。

【福島大学食農学類・小山良太教授】「これで本当に決めていいのかなと委員として思う。」
小委員会のメンバーで福島大学・教授の小山良太さん。福島県内の風評被害などについて研究をしてきました。

【福島大学食農学類・小山良太教授】「決める前に現地の意見をきっちり聞く、対策を組み込む、何が問題と思っているか真摯に受け止めるのが(小委員会)での条件だった。」
海洋放出は「社会に与える影響が大きく丁寧な説明が必要」と話す小山さん。それが果たされているかは疑問だと話します。

【福島大学食農学類・小山良太教授】「今回の処分の仕方がどれだけ理解されているのか、これがない中で処分方法だけ決まってしまうと色々な不安や色々な誤解が生まれてしまって、それがいわゆる風評につながりやすい」
近く政府が処分方法を決めるならば、風評対策について目に見える成果を課すことも必要ではないかと話します。

【福島大学食農学類・小山良太教授】「例えば(トリチウムに関する)認知度が1割から6割まで上がるなど、数値目標を課してもいいと思う。それが達成できた時には放出させてくださいとお願いですよね。これ今回お願いなんですよ、国の方が」
実際に放出するまでの間にすべきことがあると話します。

【福島大学食農学類・小山良太教授】「本来やるべきことがまだ残っているだろうと。それは汚染水とアルプス処理水とトリチウム水の違いだとか、今回の処分方法(などを)ちゃんと説明して理解してもらう」
また別な委員からも、このまま決めることについては否定的な意見が出ています。

【水産資源研究所・森田貴己さん】「全漁連とかそういうところからの意見表明、それから2週間くらいしかたってないし、結局は最初から結論ありきだったと思われても仕方ないやり方」
環境放射能の専門家で、県内の漁業とのかかわりも深い水産資源研究所の森田貴己さん。本格操業を控える中での決定に疑問を呈しました。

【水産資源研究所・森田貴己さん】「復興のことを考えれば4月は本格操業始まるわけですし、方針決めるというのは両立になっているのかというのはすごく疑問を感じている」
また風評対策については「まずは現状の風評被害の解決が先決」と強調した上で、次のように話しました。

【水産資源研究所・森田貴己さん】「もし2年間に回復が見込めないならタンク保管をします、その土地も確保しますという覚悟をもって政府は臨まないといけない。なし崩し的に風評対策したけど回復せずでも海洋放出しますというんだったら、受け入れられないと思いますね」
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