[2020_10_21_04]菅首相「いつまでも先送りできない」 福島第1汚染処理水処分、早期に結論(毎日新聞2020年10月21日)
 
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菅首相「いつまでも先送りできない」 福島第1汚染処理水処分、早期に結論

 菅義偉首相は21日、訪問先のインドネシア・ジャカルタで記者会見し、東京電力福島第1原発のタンクに保管されている汚染処理水の処分について「できるだけ早く、政府として責任をもって処分方針を決めたい」と早期に結論を出す考えを示した。日本学術会議の新会員候補6人を任命しなかった問題に関しては「(学術会議が)国の予算を投じる機関として国民に理解されることが大事だ」と主張し、任命拒否の理由は説明しなかった。

【福島第1原発の汚染水処理の流れ】

 首相は汚染処理水の処分について「いつまでも方針を決めないで先送りをすることはできない」と強調。政府は27日に予定する廃炉・汚染水対策の関係閣僚会議で「海洋放出」を決める見通しで、首相は「これまでの議論や意見を踏まえ、政府内での議論も深め、風評被害対策にもしっかり取り組んでいきたい」と述べた。
 学術会議会員の人選については「現在の会員が後任を推薦することも可能な仕組みになっているとも聞いている」と強調。6人を任命しなかったのは「推薦された方々がそのまま任命されてきた。前例踏襲をしていいのか考えた結果だ」とし、詳しい説明はしなかった。井上信治科学技術担当相の下で学術会議のあり方を議論する考えを改めて示した。井上氏は週内にも学術会議の梶田隆章会長と会談する意向だ。
 26日召集の臨時国会で首相就任後初めて臨む所信表明演説に関し「新型コロナウイルス対策と経済の回復の両立、デジタル庁、不妊治療への保険適用などの少子化対策、グリーン社会の実現などポストコロナの世界に向けた考え方をしっかり示したい」と語った。【ジャカルタ影山哲也】
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