[2019_11_18_02]福島第1汚染処理水 25年処分開始なら16万トン分タンク不足 東電が試算(毎日新聞2019年11月18日)
 
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福島第1汚染処理水 25年処分開始なら16万トン分タンク不足 東電が試算

 東京電力福島第1原発の敷地内の貯蔵タンクにたまり続けている汚染処理水について、東電は18日、2025年以降に処分し始めた場合、時期によって約16万〜66万トン分のタンクが不足するという試算結果を初めて明らかにした。その際、処理水に残る放射性物質トリチウムが放出されたり減衰したりする総量は、年間で約32兆〜106兆ベクレルになった。
 この日開かれた政府の小委員会で示した。汚染水を多核種除去設備「アルプス」で処理した水を巡っては、20年12月にタンクの増設場所がなくなり、22年夏ごろに満杯の約137万トンに達する見通し。タンクの容量は、多くが1基1000〜1200トン。
 東電によると、タンクに保管している処理水は現在、約117万トン。処分開始の時期を@25年A30年B35年として、タンクの不足分と処分後に放出されたりするトリチウムの年間総量を試算したところ@で約16万トン、約32兆〜51兆ベクレルAで41万トン、約37兆〜68兆ベクレルBで66万トン、約43兆〜106兆ベクレル――という結果を得た。
 経済産業省によると、国内の各原発ではこれまでに年間数千億〜100兆ベクレルのトリチウムなど放射性物質を含んだ水を海に放出。07年度には日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)で1300兆ベクレルを放出したが、いずれも国の基準を満たしているとしている。
 また、経産省は現在の汚染処理水のトリチウム全てを海や大気に放出した場合、国連科学委員会の被ばく評価に基づいて判断しても「健康上の問題はない」とした。【岩間理紀】

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