[2016_09_28_02]凍土遮水壁評価、10月中旬に 半月遅れ...大雨で効果示せず(福島民友2016年9月28日)
 
参照元
凍土遮水壁評価、10月中旬に 半月遅れ...大雨で効果示せず

 東京電力は27日、福島第1原発1〜4号機建屋の周囲の地盤を凍らせる汚染水対策「凍土遮水壁」の遮水効果の公表について、予定より半月ほど遅れ、10月中旬となる見通しを示した。8、9の両月に相次いだ台風による大雨で想定を上回る地下水が護岸エリアに流れ、遮水効果の評価が難しいことや、未凍結部分の追加工事が遅れていることが主な要因としている。
 東電の想定では、建屋海側で全面凍結が進められている凍土壁が完成すれば、山側から護岸エリアに流れ込む地下水が遮断され、護岸エリアでの地下水くみ上げ量が減る。東電は、くみ上げ量が減少したことを示し、凍土壁の効果を証明したかったが、大雨が続き、もくろみが外れた。
 東電によると、雨が少なかった8月上旬と、台風による大雨があった8月下旬を比較した結果、降雨が多い時期の護岸への地下水流入量は、これまでの試算方法による想定流入量より約6000トン多いとみられることが分かった。
 建屋周辺の未舗装の地面から雨水が地下に染み込む量が予想より多かったことや、建屋の屋根に降った雨が放水路に流れ込み護岸地下に染み出しているとみられることなどが主な原因。
 また、建屋海側で行われている未凍結部分の凍結を促す追加工事は、今月中旬までに完了する予定だったが、雨の影響で工期に遅れが生じている。
 凍土壁の効果を巡っては原子力規制委員会の会合で議論が続けられている。未凍結部分などから流れ出る地下水量が予想を上回っている可能性もあり、建屋山側の凍土拡大へ向けた議論に影響を与えそうだ。

KEY_WORD:FUKU1_:_