[2021_04_27_06]釜山市議会「福島原発放射能汚染水の海洋放流を撤回せよ」(ハンギョレ新聞2021年4月27日)
 
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釜山市議会「福島原発放射能汚染水の海洋放流を撤回せよ」

 釜山市議会が、日本政府による福島原発放射能汚染水の海洋放流決定を糾弾した。
 釜山市議会は26日、第296回臨時会第1回本会議で「日本の福島原発汚染水海洋放流決定全面撤回要求決議案」を参席者全員の賛成で通過させた。
 決議案で釜山市議会は「日本政府は、福島原発放射能汚染水の海洋放流決定を直ちに撤回し、福島原発汚染水に関するすべての情報を国際社会に透明に公開し、周辺国と協議せよ」と要求した。また、韓国政府に対しては「日本の原発汚染水海洋放流決定と関連して、国際海洋法裁判所に暫定措置の申請と提訴を積極的に検討し、水産物に対する放射能検査と韓国国内海域への放射能流入検査を大幅に強化せよ」と求めた。
 議員たちは決議文で「福島原発汚染水に含まれる放射性物質は、生態系と環境に蓄積され回復できない永久的な海洋汚染を発生させ、現在の世代のみならず未来世代の生活の基盤まで脅かすだろう。日本政府の今回の決定は、最隣接国である韓国と十分な協議過程もなしで取られた一方的措置であり、全世界の人の安全と海洋環境に回復不可能な損傷を招く無責任な行為」と批判した。
 議員たちは、福島原発に使われた汚染水を海に放流しても大きな問題はないという日本政府の主張を批判した。議員たちは「原発汚染水には、トリチウム(三重水素)と人体に致命的なセシウム137やストロンチウムを含む放射性物質が多く残存している。トリチウムは、多核種除去設備(ALPS)という濾過装置を経ても除去されず、放射性物質を含有したまま海に排出される憂慮が大きい」と指摘した。また議員たちは経済的打撃を憂慮した。議員たちは「海に放出された福島原発放射能汚染水が海流に乗り、韓国近海に流入すれば日本の水産物のみならずわが国(韓国)全域で生産される水産物の消費心理萎縮と消費急減により、韓国国内の水産業が打撃を受け、輸出の断絶で水産業界の被害が莫大になると見られる」と主張した。議員たちは「海洋を基盤とするレジャー、研究開発(R&D)、4次産業など大韓民国最大の海洋都市である釜山市の産業全般が、成長動力を失い沈滞する恐れがある」と付け加えた。
キム・グァンス記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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